吉野修一郎が国内ライト級最強を証明 実力者世界ランカー中谷正義に6回KO勝ち
2022年11月1日 18時32分
2022年11月1日 10時32分
さいたまスーパーアリーナで開催されるビッグイベント『Prime Video Presents Live Boxing 第3弾』が11月1日に開催される。メインに据えられたWBC世界L・フライ級王者の寺地拳四朗(BMB)、WBA世界L・フライ級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)の日本人王者同士による王座統一戦が最注目になるが、WBO世界L・フライ級王者のジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)に挑む同級2位の岩田翔吉(帝拳)の世界初挑戦にはひとつの記録がかかる。
岩田は1996年2月生まれ。昨年の『ボクシング・ビート8月号』で「1995世代」と題して特集したように、この世代はタレントぞろいの黄金世代。ベルトを奪取すれば、田中恒成(畑中)、比嘉大吾(志成)、山中竜也(真正)、井上拓真(大橋)に続き、1995年度生まれの日本人世界王者は5人目となり、歴代の王者を世代別にカウントした時の最多記録に並ぶ。
ちなみに昨年11月に日本人で初めて世界選手権を制し、アマチュア世界王者になった坪井智也、岡澤セオンも1995世代。現状でもプロアマ通算6人の世界王者を輩出していることになる。
さらなる記録更新の可能性も大いにある。特にWBA3位を最高位に世界主要4団体すべてで上位にランクされる日本フライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、日本バンタム級王者の堤聖也(角海老宝石)、10月25日にOPBFフライ級王座に就いた桑原拓(大橋)は、アマチュア時代に田中、井上拓、岩田、坪井と同じ階級でしのぎを削った、この世代を象徴する顔ぶれ。充実期を迎える1995世代に岩田が勢いをつけることができるか。
現在の最多記録は1988年度生まれの34歳になる世代。世界4階級制覇王者で年末の王座統一戦が決定的な現WBO世界S・フライ級王者の井岡一翔(志成)をはじめ、亀田大毅、宮崎亮(KWORLD3)、小國以載(角海老宝石)、木村翔(花形)が名前を連ねる。
そして“6人目”を狙うのが井岡、宮崎と興国高校同期で、同じさいたまスーパーアリーナで吉野修一郎(三迫)のWBOアジアパシフィック・ライト級王座に挑戦するWBC世界ライト級10位の中谷正義(帝拳)である。米国でワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)、テオフィモ・ロペス(米国)ら、世界のトップと戦ってきたが、かねて「目標は世界チャンピオン」と公言しており、“国内ライト級頂上決戦”の勝利で道をつなごうとしている。
中谷を阻んで、米国進出を目論む吉野は1991年9月生まれ。この世代の歴代王者は今回、統一王者を狙う寺地、亀田和毅(TRY BOX 平成西山)の2人。吉野と寺地は同じ三迫ジムで練習しているだけでなく、大学3年時の台北市カップに日本代表として遠征し、ともに銀メダルを獲って以来の仲。「いつか、プロの大きな興行に一緒に出よう、と話していた」(吉野)そうで、ひとつの希望がかなうリングで“3人目”への切符をつかみに行く。
京口の1993世代は、12月13日にバンタム級4団体統一戦が決まったWBAスーパー、WBC、IBFバンタム級王者の井上尚弥(大橋)、“盟友”のWBO世界ミニマム級王者・谷口将隆(ワタナベ)の3人。WBO世界フライ級王座を返上し、WBO世界S・フライ級3位のフランシスコ・ロドリゲス(メキシコ)とS・フライ級転向初戦を行う中谷潤人(M.T)の1997世代はまだ中谷ひとり。“2人目”の候補は11月17日に日本ミニマム級王座決定戦に出場するWBC世界ミニマム級4位の重岡優大(ワタナベ)が最有力か。
(船橋真二郎)
▼歴代日本人世界王者(世代別人数)
1988世代(5人)
井岡一翔
亀田大毅
宮崎亮
小國以載
木村翔
1995世代(4人)
田中恒成
比嘉大吾
山中竜也
井上拓真
1983世代(4人)
高山勝成
佐藤洋太
五十嵐俊幸
木村悠
1969世代(4人)
鬼塚勝也
川島郭志
飯田覚士
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