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2022日本タイトルマッチ総括 重岡兄弟、宇津木秀ら躍進 新鋭とベテランともに活躍

2022年12月27日 17時25分

 2022年の日本タイトルマッチは26日のS・バンタム級王座決定戦、古橋岳也(川崎新田)が田村亮一(JB SPORTS)に際どく勝利して王座返り咲きを果たした試合で幕を閉じた。日本タイトルマッチは世界に羽ばたくための重要な舞台で、ここをチェックせずしてあすのボクシング界を語ることはできない。2022年はどんな新星が誕生し、来年に羽ばたく選手はだれなのか。2022日本タイトルマッチを振り返ってみたい。

 まずは今年誕生した新チャンピオンをズラリと挙げてみる。ミニマム級の石澤開(M.T)、重岡銀次朗(ワタナベ)、重岡優大(同)、S・フライ級の中川健太(三迫)、バンタム級の澤田京介(JB SPORTS)、堤聖也(角海老宝石)、S・バンタム級の井上拓真(大橋)、フェザー級の阿部麗也(KG大和)、ライト級の宇津木秀(ワタナベ)、ウェルター級の小畑武尊(暫定=ダッシュ東保)、S・ウェルター級の川崎真琴(RK鎌田)、出田裕一(三迫)、ミドル級の国本陸(六島)、ヘビー級の但馬ブランドンミツロ(KWORLD3)。計14人の新王者が生まれた。

宇津木(右)はタイトル戦3連続TKO勝ち

 無敗のまま王座を獲得したのは重岡兄弟、堤、宇津木、但馬の5人でいずれもアマチュアで実績を残している選手だ。中でも一番の出世株は重岡兄弟の弟、銀次朗だろう。23歳の新鋭は1月6日にIBF王者への世界挑戦が決まった。兄の世界上位ランカー優大も早速タイトルを返上し、世界挑戦のウェイティングサークルに入っている。無敗ではないものの石澤は1月に王座を獲得して4月に世界挑戦し、計量失格の末に敗れるという波瀾万丈の1年を送った。

ヘビー級王者となった但馬

 宇津木は元日本S・ライト級王者の鈴木雅弘(角海老)をTKOで下して王座を獲得。2度の防衛戦もTKO勝ちしており、2022年に最も存在感を示した日本チャンピオンの1人と言えるだろう。宇津木と同じ平成国際大出身の堤も激戦のバンタム級でベルトを巻いた。但馬はヘビー級の規定により韓国選手との王座決定戦を制して戴冠という珍しいケースだった。

 若手が台頭する一方でベテランの活躍も目を引いた。キックボクシング出身の川崎は37歳で悲願の日本タイトルを獲得。その川崎から王座を奪った出田は38歳。13戦白星なしという試練を乗り越えての歓喜だった。中川は36歳にして3度目の日本王座獲得。すでにタイトルを返上して次のステップを目指している。

出田(右)は38歳で日本タイトル獲得

 苦労という意味ではバンタム級の澤田のことも書いておきたい。19年に挑戦者決定戦に勝利したものの、前王者の引退やコロナ禍によりタイトル戦の日程はなかなか決まらず、ようやく巡ってきたチャンスで負傷ドロー。仕切り直しの再戦では対戦相手の計量失格とすったもんだの末に、ようやく今年2月にタイトルを獲得した。

 “天才”阿部は実力者の丸田陽七太(森岡)を下し、3度目の正直で日本タイトルを獲得。チャンピオンカーニバルのMVPに選ばれ、最上位にランクされるIBFで世界を狙っている。国本も2度目の挑戦で戴冠した。

 王座の在位期間が1年を超えているのは阿久井、坂、平岡の3王者。それぞれ世界を視野に入れる中、WBA2位を筆頭に4団体で上位にランクされるフライ級の阿久井は23年の世界挑戦が現実味を帯びる。すでに国内レベルではない元WBCバンタム級暫定王者の井上拓も23年は世界戦の舞台に立つ可能性が高い。

■2022日本チャンピオン推移(2022年1月1日~12月27日)
ミニマム級 空位→石澤開→空位→重岡銀次朗(防衛1)→空位→重岡優大→空位
L・フライ級 岩田翔吉(防衛2)→空位
フライ級 ユーリ阿久井政悟(防衛3)
S・フライ級 空位→中川健太→空位
バンタム級 空位→澤田京介→堤聖也(防衛1)
S・バンタム級 古橋岳也(防衛1)→井上拓真→空位→古橋岳也
フェザー級 丸田陽七太(防衛1)→阿部麗也(防衛1)
S・フェザー級 坂晃典(防衛2)
ライト級 空位→宇津木秀(防衛2)
S・ライト級 平岡アンディ(防衛2)
ウェルター級 小原佳太(防衛3)→空位
S・ウェルター級 空位→川崎真琴(防衛1)→出田裕一
ミドル級 空位→国本陸(防衛1)
ヘビー級 上田龍→空位→但馬ブランドンミツロ(防衛1)

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