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“永遠の王者”大場政夫 衝撃の事故死から50年 闘志あふれる激闘の記憶は永遠に

2023年1月25日 11時08分

 WBA世界フライ級王者として5度の防衛を成し遂げていた大場政夫が、愛車シボレーコルベットを首都高速の壁面に激突させて23歳で命を落としたのがちょうど50年前の1月25日、午前11時すぎのことだった。日本の歴代世界王者の中で現役世界チャンピオンのまま亡くなった“永遠のチャンピオン”を偲ぶ。

 大場は白井義男以来、日本のボクシング界が生んだ8人目の世界チャンピオン。今より世界チャンピオンの希少価値が極めて高かった時代であり、現役世界王者の死はボクシングというジャンルを超えて広く日本中に悲しみをもたらした。

 大場はまだ多くの人たちが貧しかった戦後間もない1949年10月21日、東京の墨田区で生まれた。「世界チャンピオンになって両親のために家を建てる」と心に誓ったのが中学生のとき。卒業後の65年に業界屈指の名門、帝拳ジムの門を叩いた。

 70年10月22日、日大講堂でベルクレック・チャルバンチャイ(タイ)を13回KOで下してWBAフライ級王座を獲得。38戦35勝16KO2敗1分という生涯戦績からも分かるように特にハードパンチャーではなく、スマートなアウトボクサーだったが、ここから逆転勝利を重ねて人気はうなぎ登りとなった。

 特に事故の直前、1月2日に日大講堂で行われたチャチャイとの5度目の防衛戦は歴史の残る死闘となった。大場は初回にチャチャイの右強打を浴びてダウン。足首を捻挫しながら不屈の闘志で逆境に耐え、中盤に形勢を逆転すると、12回に怒濤の攻撃で3度ダウンを奪って逆転KO勝ち。ドラマティックな結末だっただけに、この試合から1カ月もたたないうちの事故死の衝撃は大きかった。

 身長168センチとフライ級にしては長身で減量が苦しく、この試合を最後にバンタム級に転向するというプランもあったが、不慮の死によって2階級制覇という夢もついえた。あれから42年後の2015年、国際ボクシング名誉の殿堂博物館がオールドタイマー部門で大場の殿堂入りを決定。その偉業は永遠のものとなった。

 もし大場が生きていれば73歳。“永遠のチャンピオン”は令和のボクシングをどんな思いで見つめるのだろうか。

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