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メキシコのボクシング・ルネサンス 元日本王者の古橋岳也さん 名王者サラテから労われる

2023年2月26日 20時33分

 メキシコでトレーナー兼プロモーターとして活躍する古川久俊氏が主催する「ボクシング・ルネサンス」が25日、メキシコシティのキッドアステカ・ドームで行われ、アマ3試合、プロ5試合が行われた。

左から古橋、サラテ、古川の各氏

 メインの前には往年のKOキング、カルロス・サラテと前日本S・バンタム級王者の古橋大輔(岳也)さんがリングに招かれた。日本から来たサムライと紹介された古橋さんはスペイン語で挨拶し、大いに喝さいを浴びた。かつて3度のメキシコ武者修行に励んだ古橋さんは、その努力の証ともいえるベルトを持って本場のリングに上がり、サラテから現役生活をねぎらわれた。

 アマの日系二世の岡元翔はメキシコのケビン・トゥリアナとフェザー級3回戦。長身でリーチも長いケビンが速いジャブを連射するが、岡元はそのジャブを外して右を決めて優勢に試合を進める。2回に岡元は相手をコーナーに詰めて連打を放ち、主審がダウンを宣告した。3回は打ち合って試合終了。3-0判定で岡元が勝利した。

 セミの日墨対決は、メキシコでプロデビューし5勝1KO1敗の木谷陸がブライアン・スニガ(4勝3KO5敗)とフェザー級6回戦を行った。この試合の前に両国国歌斉唱が行われ、メキシコ武者修行中のプロボクサー美濃巧人(とよはし)が君が代を歌った。

 木谷は堅いブロックでブライアンのパンチを防御し、的確にコンビネーションをヒットさせる。対するブライアンはパワーパンチを一発一発力強く木谷に叩きつけるという展開となった。木谷は2回、ダブル、トリプルのジャブ、サイドステップも多用しヒット数でやや優勢。しかし木谷は3回に入ると、足を止めての打ち合い、右アッパーを打って左ガードの開いたその瞬間にブライアンの右フックがカウンター気味に木谷の顎を打ち抜きダウン寸前となる。ブライアンが畳みかけてストップとなった。

 メインは18年に日本で中谷潤人(M.T)と8回負傷判定負けした元世界ランカー、マリオ・アンドラーデの引退試合、エドュアルド・エスパルサとのS・フライ級8回戦が行われた。

 技巧派として知られる両者の対決は、初回からともにパンチをウィービング、ダッキング、スウェー、ステップでかわす展開。互いのパンチを見事にかわすたびに観客から大きな声援が上がった。クリーンヒットの出ない中、経験で優るアンドラーデが中盤から的確にカウンターをヒットし優勢。エスパルサはラフなボクシングに活路を見いだしたが及ばず、3-03判定でアンドラーデの手が上がり、有終の美を飾った。

 試合終了後、日本式に引退のテンカウントゴングが打ち鳴らされ、副プロモーターの井出智弘氏より花束贈呈が行われ、マリオアンドラーデの引退に文字通り花を添えた。

 なお、メキシコでトレーナー、プロモーターとして活動してきた古川久俊氏の日本帰国が決定。9年間にわたり27回を数えたボクシング・ルネサンスは今回が最後となる。

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