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日本バンタム級王者の堤聖也が2度目の防衛 最強挑戦者の南出仁を7回TKOで圧倒

2023年3月20日 21時24分

日本バンタム級タイトルマッチが20日、後楽園ホール「DANGAN256」のメインで行われ、王者の堤聖也(角海老宝石)が挑戦者1位の南出仁(セレス)に7回1分41秒TKO勝ち。2度目の防衛に成功した。

堤(左)はスタートから主導権を握った

スイッチできる堤はサウスポースタイルでスタートを切った。同級生の指名挑戦者、南出はサウスポー。互いに牽制し合っていたが、堤がジャブを合わせ、右フックをフォローすると、これが効いてしまった南出がダウンした。

南出は2回、左ストレートを決めて反撃の狼煙を上げたかに見えた。ここから軽快なフットワークで試合を組み立て始めたが、前に出たところで堤に右フックを合わせられ、2度目のダウンを喫した。

堤は3回、ギアを上げて南出を攻めた。南出は脚をつかって何とか立て直そうとする。しかし堤のジャブが正確だ。左ストレートの相打ちでともにヒットするが、ここから攻めたのは堤。南出は左目が腫れてきた。

堤は近づいて良し、離れて良し、変幻自在のボクシングでリードを広げていく。5回、南出が攻勢に出たところで堤の右フックが炸裂。南出は3度目のダウンだ。5回を終わってジャッジ3人とも50-42でリードした。堤は後半に入るとはっきりと南出を仕留めにかかり、南出が何とかこれをしのぎながら起死回生の一発を狙う展開になった。

7回、畳みかける堤の右がカウンターで決まり、南出がキャンバスに手を突くと、これはスリップの裁定ながらダメージは甚大。続くシーンで堤が攻めたところで、主審が割って入った。

WBC14位、IBF10位につける堤は8勝7KO2分。南出は7勝5KO3敗。堤はリング上で「強い選手なので、リスペクトしていた選手だからこういう内容で勝てたので少しは自信になる。バンタム級の世界は新しい時代を迎えます。4月に井上拓真選手が世界挑戦します。僕は彼に高校時代に土をつけられて未だに引きずっているので、ゆくゆくそこに挑戦できるようになりたい。まずは視界に入ってもらえるようにがんばります」と話した。

大野(右)は実力者の麻生に競り勝った

◇S・ライト級8回戦
大野俊人(石川・立川)[2-1(77-75×2、75-77)]麻生興一(三迫)
S・ライト級日本2位の麻生と同5位の大野の対戦。長身のハードパンチャー大野がスタートから思い切りパンチを振り下ろして元日本、前東洋太平洋王者の麻生に迫った。麻生もガードを固めながらこれに応戦。試合は初回から接近しての打撃戦となった。

互いにパンチをヒットする一進一退の攻防となる中、ベテランの麻生が4回、細かいパンチを上下に散らして抜け出しにかかる。麻生が手数で上回り、粘る大野もパンチを当ててラウンドを重ねた。大野は7回にネジを巻き直して追い上げ、8回にも右で麻生にダメージを与えた。麻生も最後まで手を出し、両者とも一歩も引かずにフィニッシュとなった。大野は12勝11KO4敗2分。東洋太平洋王座を失った近藤明広(一力)戦に続いて黒星の37歳、麻生は25勝16KO11敗1分。

オイコラ(左)と李はドロー

◇S・フェザー級8回戦
リドワン・オイコラ(平仲BS)[引き分け1-1(77-75、74-78、76-76)]李鎮宇(角海老宝石)
ナイジェリア出身の日本フェザー級4位オイコラが東京初進出、日本S・フェザー級19位の李を迎えた。ひと回り大きな李がジャブと右ストレートでプレスをかけ、オイコラが脚を使う立ち上がり。オイコラはラウンド終盤、左アッパーをボディに突き上げた。2回、オイコラが李を打ち合いに誘い、互いにボディ打ち、左右フックを応酬。オイコラがパンチの精度で上回り、李にダメージを与え始めた。

オイコラはジャブ、左右のフックで李のガードを破るようにパンチを打ち込み、かと思えばフットワークを使って的を絞らせない。ガードを下げて李を挑発するシーンも何度かあった。追いかける李は後半、プレスを強めてボディを軸に攻め、6回には右をヒット。李は最終回も攻めてドローに持ち込んだ。ドロー判定に不満顔のオイコラは11勝5KO1敗2分。李は9勝4KO1分。

湯場(右)は再起戦に勝利

◇67.0キロ8回戦
湯場海樹(ワタナベ)[TKO5回2分23秒]チャンナロン・インジャンパ(タイ)
サウスポーの湯場が初回から力強いワンツーを打ち込んでいき、チャンナロンは打ち終わりにフックを振っていった。湯場は2回、強烈な左ボディを打ち込んだあと、左ストレートから返しの右フックでチャンナロンをキャンバスへ。この回、もう一度ダウンを追加したが、これはダメージを与えるパンチではなかった。3回は左カウンターでダウンを重ねるが、チャンナロンはタフ。闘志をみなぎらせ、ラウンド終盤に湯場をぶん投げて減点1を食らった。

湯場は4回、右カウンターをもらってヒヤリとさせられながら、終盤に右フックを打ち下ろして4度目のダウン。湯場は倒したいがあまり力みが目立ったが、5回に右フックを決めたところで主審が試合を止めた。藤田炎村(三迫)に敗れてからの再起戦に勝利した湯場は9勝6KO2敗2分。チャンナロンは11勝8KO12敗。

◇バンタム級8回戦
梅津奨利(三谷大和S)[TKO5回2分18秒]東泰誠(TRYBOX平成西山)
アウトボクシングをするサウスポー東を梅津が追いかける展開。東はよく脚を動かしてタイミングのいい左を打ち込んだが、梅津は2回終盤に東を捕獲し、連打を見舞って攻勢をアピールした。3、4回と東が左を当て、梅津も右ストレート、ボディ打ちを単発ながら当てていく。5回、梅津が東をロープに押し込んでラッシュしたところでストップとなった。梅津は9勝7KO1分。東は9勝5KO11敗1分。

齊藤は打ち勝った

◇S・フェザー級8回戦
齊藤陽二(角海老宝石)[TKO2回2分6秒]トンテップ・テーヤウォン(タイ)
齊藤がスタートから詰めると、トンテップもこれに応じ、左右のフック、アッパーで齊藤に迫った。いきなり打撃戦となった試合は、パワーで上回る齊藤がトンテップの攻撃をはね返し、ボディ攻撃で追い込んでいった。2回、右ボディで最初のダウンを奪うと、左ボディで再び沈め、3度目はボディの連打で終わらせた。齊藤は4勝4KO3敗2分。トンテップは9勝5KO9敗2分。観衆=1132人

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