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WBAバンタム級王座決定戦迫る井上拓真 曲者ソリスを“完封”で王座返り咲き誓う

2023年3月27日 16時19分

 WBAバンタム級王座決定戦に出場する同級2位の井上拓真(大橋)が27日、横浜市内のジムで公開練習を行った。元WBC同級暫定王者の拓真は4月8日、有明アリーナの「Prime Video Presents Live Boxing4」で同3位リボリオ・ソリス(ベネズエラ)と兄尚弥が返上したWBA王座を争う。

真吾トレーナーとバッグ打ちをする拓真

 19年11月、WBC王者だったノルディーヌ・ウバーリ(フランス)に初黒星を喫し、WBC正規王座獲得に失敗してからおよそ3年半。拓真(26=17勝4KO1敗)が満を持して久々の世界タイトルマッチに挑む。会見に臨んだ拓真は「目標は4団体統一。今回はその第一歩となる」と表情を引き締めた。

 兄の背中を追い続ける拓真はウバーリ戦以降、栗原慶太(一力=現東洋太平洋王者)、和氣慎吾(FLARE山上=元東洋太平洋、日本S・バンタム級王者)、古橋岳也(引退=元日本S・バンタム級王者)と国内トップ選手を下してチャンスを待ち続けた。

 拓真は「負けてからボクシングに対する姿勢、意識が前より変わった。国内の強豪選手に勝てたことも自信につながった」と黒星をバネに生まれ変わったと強調。メンタルだけでなく、ボクシングそのものも改造に取り組んできた。

 父の真吾トレーナーは「体の使い方、フォームを意識してきた」と“改革”のいったんを明かした。以前は“手打ち”とまでは言わないが、パンチの伸びや体重の乗り方が今ひとつだったのが、フィジカルトレーニングやランニングでもフォームを強く意識して体の使い方を修正したのだという。

 ミットを持つ太田光亮トレーナー曰く「パンチが重くなってきた」と成長ぶりを証言。大橋秀行会長は「ジムの選手の中で拓真が一番安心して見ていられる」と表現した。あとは本人とトレーナー陣が口をそろえるように「練習してきたことを試合で出せるかどうか」が大きなポイントだ。

須佐・特別コーチ(左)と拓真

 さらに今回は試合の2カ月前にオリンピアンの須佐勝明さんを特別コーチに招へいした。真吾トレーナーは「前々から直したいと思っていたところがあって、自分と須佐くんの思いが一致した」と話す。「直したいところ」の詳細は明かさなかったが、須佐トレーナーの存在も拓真の成長にひと役勝ったのは間違いなさそうだ。

 対戦相手のソリス(41=30勝16KO6敗1分1無効試合)はかつて河野公平、亀田大毅、山中慎介と拳を交えた日本でもお馴染みの元WBA・S・フライ級王者だ。豊富なキャリアを誇るとはいえ年齢は41歳。それでも拓真は「リーチが長く、パンチもありそう。年齢は関係ない。河野選手や山中選手とやったころの実力をイメージしている」とソリスの実力を評価した。

 勝ち方を問われると「完封。チャンスがあれば倒しにいくけど、まずは完封してやろうと思っている」と宣言。文句なしの勝利で兄のはたした4団体統一に向け、大きな一歩を踏み出そうとしている。

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