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堤駿斗が強豪サンティシマに大差勝ち 最速記録の3戦目で東洋太平洋フェザー級王者に

2023年5月31日 21時07分

 東洋太平洋フェザー級王座決定戦が31日、後楽園ホール「Life Time Boxing Fight 14」のメインで行われ、同級2位の堤駿斗(志成)は同3位ジョー・サンティシマ(フィリピン)に3-0判定勝ち。国内最速記録となるプロ3戦目で東洋太平洋王座を獲得した。スコアは118-110、119-109、120-108。

サンティシマに大差をつけて新王者、堤

 左の差し合いで試合はスタート。静かな立ち上がりながら、初回終了間際にサンティシマの右ストレートが堤をとらえた。堤は「自分のボクシングをする」のテーマ通り、フットワークを使いながらジャブをしっかり突き、右につなげようとした。サンティシマのパンチは迫力があるが、これを脚とブロッキングで防いでいった。

 ジャブで上回り始めた堤は3回、右フックをヒットし、ラウンド終盤に左ボディを打ち込むとサンティシマの動きが止まった。序盤戦は堤が主導権を握り、4回終了時の採点は40-36×3で堤がリードした

 中盤に入っても堤はペースをキープした。ジャブは相変わらず効果的で、リターンの左フック、コンビネーションも決めた。サンティシマもプレスを強めてボディ攻撃で堤に迫る。堤は接近戦で右アッパーから左ボディのコンビネーションを打ち込んだ。7回、サンティシマの動きが落ちてくると、堤のジャブがさらにピシピシと決まり、サンティシマの左目下が腫れてきた。8回を終わっての採点は79-73、80-72×2で堤がリードを広げた。

 堤は終盤に入っても脚を止めず、ジャブを突き、スタイルを崩さなかった。加えてカウンター、リターンをしっかり狙い、前に出続けるサンティシマの効果的な反撃を許さない。10回、堤はワンツー、左フック、ボディ打ちを立て続けに決めてKOへの意欲を見せるが、サンティシマも意地を見せた。

 11回、堤の「倒す」という強い決意が前面に出る。右をダブル、トリプルでサンティシマの顔面に打ち込み、左フックも、左ボディも打ち込んだ。12回も攻めまくった堤だが、サンティシマは最後まで粘った。堤は3勝。サンティシマは22勝19KO6敗。

 試合後、堤は「ダウンは取りたかったけど、テーマである明確な差をつけて勝つことができた」とホッとした表情を見せた。試合を振り返り、3回にボディを効かせたシーンは「無理に畳みかけず、削っていく作戦だった」とし、相手が弱ってきた終盤に勝負をかけるつもりだったと説明。6、7回あたりに左拳を痛めながら、相手の左目をピンポイントで狙ってジャブを突き続け、中盤から「練習していた」という右アッパーから左ボディのコンビネーションもよく出るようになった。最後は「スタンディングを取ってくれみたいな感じで殴り続けた」と表現した。

 デビューから3戦を終え、「少しずつプロとしてのボクシングができていると思う」と進化を実感する堤は「次の3戦くらいで(さらにもう)ひと皮むけられると思う」とさらなる成長に意欲を見せた。

タイ選手をきれいに倒した廣本

◇S・フライ級8回戦
廣本彩刀(角海老宝石)[KO2回2分19秒]ウィーラサック・ラックチャート(タイ)

 日本同級15位の廣本がアウトボクシングを展開し、背の低いウィーラサックは打ち終わりを狙った。ワンツー主体の廣本は2回、右を合わせてダウンを奪った。立ち上がったウィーラサックは前に出たが、廣本が左ボディをレバーに打ち込み、10カウントを聞かせた。芦屋大出身の廣本は6勝3KO1敗。ウィーラサックは3勝2KO1敗。

◇S・ウェルター級6回戦
左右田泰臣(EBISU K’sBOX)[3-0(60-51×3)]チャン・サーラー(タイ)

 初回、前に出るチャンに対し、左右田はジャブ、左右のボディ打ちで崩しにかかった。2分すぎに右カウンターを合わせてチャンをキャンバスへ。2回はボディ打ちを続け、ボディから右につなげてダウンを追加した。3回は右アッパーを効かせてからの連打で3つ目を奪った。

 チャンは一発を狙った前に出続けた。左フックが左右田の顔面をとらえるシーンもある。左右田はボディ打ちを軸に多彩なパンチで攻撃を続けたが、タフなチャンは最後まで粘った。昨年の東日本ミドル級新人王決勝で引き分け、敗者扱いとなった左右田は4勝2KO1分で無敗キープ。チャンは5勝2KO3敗。

◇女子S・フライ級6回戦
山家七恵(EBISU K’sBOX)[3-0(60-54×3)]スパットラー・ウンルアン(タイ)

 山家は21年10月、現WBO・S・フライ級王者の晝田瑞希(三迫)に敗れて以来、およそ1年7カ月ぶりのリングでサウスポー対決。上背のあるスパットラーは左を振ってすぐクリンチというボクシング。山家は相手のスタイルに苛立ちながらも序盤から右を当て、4回に左を決めると、5回はラッシュして見せ場を作った。山家は5勝2KO1敗。スパットラーは4勝4KO1敗。

◇S・バンタム級4回戦(東日本新人王戦)
池﨑創哉(三迫)[TKO2回2分0秒]石川優(大翔)

◇S・ライト級4回戦
川村英吉(角海老宝石)[3-0(39-37、40-36×2)]能醒魅(竹原&畑山)

観衆=819人

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