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前代未聞 ナイジェリア人選手替え玉事件 プロモーター平仲信明会長とJBC萩原実理事長が謝罪

2023年6月30日 19時00分

 5月14日に札幌のシャトレーゼガトーキングダムサッポロで開催された興行で、ナイジェリア国籍の2選手がJBCから承認を受けていた選手と別人だったと判明した件で、イベントを主催した平仲ボクシングスクールの平仲信明会長、日本ボクシングコミッション(JBC)の萩原実会長が30日、JBCで記者会見を開いてファンと関係者に謝罪した。

左から萩原JBC理事長、平仲会長、小林JPBA会長

 替え玉選手と対戦したのは、タレントで平仲BSのセコンド・ライセンスを持つボビー・オロゴン氏の息子ジェイジェイ・オロゴンと日本フェザー級1位リドワン・オイコラの2選手。替え玉選手は平仲会長がオロゴン氏を通じて親交のある仲介者に手配を頼み、JBCはナイジェリアのコミッションと連絡を取ってライセンスの申請を認めた。

 試合は2人とも初回KO負け。あまりに酷い試合内容だったことから、JBCが調査に乗り出し、2人は日本在住のナイジェリア人でボクシング経験はあるものの、申請した選手とは別人のプロ経験のない“素人”であることが判明した。

 平仲会長は「責任は僕にある。選手が来日する空港に出向くことをしなかった。申し訳ありませんでした」と謝罪した。平仲会長もナイジェリア出身のオロゴンとオイコラも、相手が別人だとはまったく気がつかなかったという。

 平仲会長はファイトマネーや航空券などの経費の支払いをしているが、そのお金がどう流れたかも不明。この点で平仲会長は被害者という立場でもあるが、自らに落ち度があるため、詐欺で訴える考えは現時点ではないという。

 また、JBCは外国人選手が来日した場合には必ずパスポートを確認する手はずになっていたが、平仲ジムはパスポート(またはそのコピー)を提出せず、現地に赴いたJBC職員も提出を催促したものの、結局パスポートを確認せずに試合の開催を認めた。パスポートを確認すれば申請したボクサーと別人であることはすぐに判明したという。

 JBCの萩原実理事長は「我々の運営上の欠陥と重くとらえている。今後2度と起きないように徹底したい」とこちらも謝罪した。

 JBCによると事情を聞いたオロゴン氏は「仲介者を信頼していたが、だまされてしまったと」との立場だという。仲介者の名前と所在地、替え玉ボクサーの名前も把握しているというが、本人たちとはまだ接触できていない。今後、さらに調査を進めた上で関係者の処分を検討する予定だ。

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