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元女子世界王者の多田悦子が引退「やりきった」 WBAミニマム級V9、3度王座に返り咲く

2023年7月21日 22時21分

 神戸市東灘区の真正ジムは21日、元女子ミニマム級3団体世界王者、多田悦子(42)の現役引退を発表した。「再び世界を目指すトレーニングができなくなった」と体力の限界を引退理由にあげた多田は女子ボクシングの先駆者として活躍、世界戦は通算18度も戦い、20勝7KO4敗3分のレコードを残した。

山下会長から花束を受け取る多田

 兵庫県西宮市出身の多田は市立西宮西高(現県立西宮香風高)でボクシングを始め、脇浜義明監督の指導で成長。2006年、07年とアマのL・フライ級チャンピオンになり、北京五輪を目指すが、女子ボクシングは五輪で採用されなかった。

 08年にJBCが女子プロボクシングを公認することが決まり、第1回女子プロテストを受験、合格して京都・フュチュールからプロデビュー。09年4月、大阪府立体育会館で名城信男(六島)の防衛戦とともに行われた国内初の男女ダブル世界戦でWBA女子世界ミニマム級王座を獲得、無敗で13年まで9度の防衛を果たした。

 王座陥落後の同年9月に長谷川穂積が所属する真正ジムに移籍。IBFミニマム級、続いてWBOミニマム級王座を獲得。20年12月には宮尾綾香(ワタナベ)を9回に鮮やかな左ストレートをカウンターで決めて自身「芸術的」と称したTKO勝ちを飾って、2度目のWBOミニマム級王者に就いた。しかし、21年10月、韓国で開催の初防衛戦でベトナム人選手に3-0の判定負けを喫して、無冠となった。

 13年にわたるプロ生活を終えることになった多田は「韓国での敗戦は悔しく、もう一度タイトルマッチをやりたいと、トレーニングを積んできましたが、きつい練習に耐える体ではなくなった。やりきった思いで、すっきりした気持ちでグローブを置くことができます」と引退の決意を語った。

 多田は神戸・元町でパーソナルジムを運営しており、最近はジム活動に加えて、老人ホームで脳こうそくの後遺症に苦しむお年寄りのトレーニングの手伝いも始めている。「新しい選手たちがいい舞台に立てるようにジムでお手伝いもしていきたい」と多田はさらにフル回転で突き進む構えだ。

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