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井上尚弥の君臨するS・バンタム級調査~海外編 ビート2月号より

2024年1月16日 17時39分

 井上尚弥が名実ともにトップに君臨するスーパーバンタム級(122ポンド=55.34キロ以下)。このカテゴリーに属するボクサーは世界中で1246人(ボックスレク調べ)という。ここで、国内外の同級ランカーをチェックしてみる。まずは海外編。《文:三浦勝夫/ボクシング・ビート2月号より》

 井上尚弥が転向2戦で制圧したS・バンタム級で依然として高評価を得ているのがスティーブン・フルトン(米/29歳/21勝8KO1敗/WBC3位)だ。井上に8回TKO負けを喫した試合でも技巧派の一端を見せつけ、通のファンを唸らせた。

 “クールボーイ・ステフ”は昨年11月から始動している様子だが、リング復帰はまだ先の見通し。SNSでウェイトトレーニングの画像をアップしているのはパワーアップを図っての行動か。フェザー級進出が有力視される。井上戦の前に具体化したブランドン・フィゲロア(米=WBCフェザー級暫定王者)との再戦もオプションにあるという。もしS・バンタム級に留まれば井上のフェザー級転向を待って王者復帰を目指すことになろう。

 井上との4団体統一戦を終えたばかりのマーロン・タパレス(フィリピン/31歳/37勝19KO4敗/リング誌2位)はしばらく母国で英気を養うもよう。井上と10ラウンド戦い健闘が称えられ、ファンのウケもよかった。米国とフィリピンで長期合宿を行ったことで確実にレベルアップした印象だ。

 だが今後は「追われる立場」を覚悟しなければならない。もう一度米国あるいは日本のリングに登場するならば、下位のランカークラスとのサバイバル戦が組まれるのではないか。そこで勝ち切って再浮上できれば、カムバックの機会が巡ってくるはずだ。

 タパレスに井上との対決を阻止された元2団体統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン/29歳/12勝9KO1敗/WBA1位)は別掲記事の通り、WBA挑戦者決定戦を勝ち抜き再起を果たした。指名挑戦者として次戦で井上に挑む可能性がある。

 リオデジャネイロ五輪銅メダルのサウスポーは母国のアマチュア関係者から必ずしも評判がよかったわけではなかった。しかしプロの水が合っていたのか、とんとん拍子に2団体統一王者に到達した。アグレッシブなスタイルは井上と噛み合うと見られ、ファンの欲求を満たすことだろう。

 ただしフルトンやタパレスのような結末が待っていると予想されるのも事実。即井上挑戦が実現しない場合、微妙な判定負けを喫したタパレスとの再戦も取りざたされている。..

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