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藤田健児がWBO-APフェザー級王座獲得 アマ10冠の逸材 プロ6戦目で一つ目のタイトル

2024年1月20日 21時08分

 WBOアジアパシフィック・フェザー級王座決定戦が20日、後楽園ホールで行われ、同級1位の藤田健児(帝拳)が同2位ジョセフ・アンボ(フィリピン)に3-0判定勝ち。プロ6戦目で初のタイトルを獲得した。スコアは120-107×2、118-109。

4回以降はほとんどボディを打たず戦った藤田㊨

 アマ10冠、174戦153勝21敗の戦績を誇る大器、藤田がプロ初のタイトルマッチを迎えた。サウスポーの藤田が圧力をかけ、身長でやや上回るアンボがガードを固めて右を狙う立ち上がり。藤田はポジショニングと上下の打ち分けを意識して立ち上がった。

 スピードとテクニックで上回る藤田は3回、左ボディを立て続けに決めて、上にもパンチを散らして一気にペースアップしたが、ここでローブローが入ってアンボに休憩が与えられ、再び試合が落ち着いた。4回、藤田の左ボディアッパーが再びローブローとなり、アンボが悶絶。主審はアンボに5分間の休憩を与えた。

 アンボはニュートラルコーナーに用意されたイスには座らず、キャンバスに寝転がったままうなり声を上げ続けた。休憩後に試合続行に応じない場合、TKO負けと知らされたアンボは最後の最後、主審に促されてようやく立ち上がって試合再開となった。

 藤田はアンボの試合放棄を恐れたのか、ここからボディ打ちを使わずにアンボを攻略しようと試みた。ポジションをずらしながら、パンチを内から外から下からコツコツと打ち続けた。アンボもよく踏ん張り、8回は近距離で藤田と打ち合った。

 9回、藤田は再びボディ攻撃も繰り出してアンボを追い込んでいく。ロープに押し込んで連打を見舞った。藤田は10回以降もアンボを仕留めにいった。最終12回、右ボディでアンボが後ろを向くと、主審がダウンを宣告。藤田は最後までKOを狙ったが、アンボがサバイバルした。初タイトル獲得の藤田は6勝3KO。アンボは13勝8KO4敗1分。

 藤田は「大きいことを言うわけじゃないですけど、ここは獲って当たり前だと思っていたので内容で見せてやろうと思っていた。長男(和典さん)は東洋太平洋S・フェザー級の暫定王者で、次男も総合格闘技で暫定王者、どうしても正規のベルトを獲りたかった。藤田家として念願が叶って良かったと思う」と思わず涙。リング上で父親の遺影を掲げて写真に収まった。

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