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S・ウェルター級世界ランカー井上岳志 ドローでベルト2本死守 世界に望みつなぐ

2024年3月18日 21時17分

 WBOアジアパシフィック&東洋太平洋S・ウェルター級タイトルマッチが18日、後楽園ホール「Lemino BOXING フェニックスバトル112」で行われ、WBO4位、IBF15位にランクされる王者の井上岳志(ワールドスポーツ)が東洋太平洋同級1位ウエイド・ライアン(オーストラリア)とドロー。WBO-APは3度目、東洋太平洋王座は初防衛に成功した。

 なお、第2試合に予定されていた斉藤晶子(ワールドスポーツ)と安部エミリー(花形)の47.0キロ契約4回戦は斉藤の棄権で中止となった。

井上(右)とライアンはドロー決着

◇WBOアジアパシフィック&東洋太平洋S・ウェルター級タイトルマッチ12回戦
井上岳志(ワールドスポーツ)[引き分け1-0(115-113、114-114×2)]ウエイド・ライアン(オーストラリア)

 井上がサウスポーのライアンに対し、踏み込んで右を上下に狙っていった、ライアンは井上の打ち終わりに、左アッパー、左フックを狙った。3回、ライアンがジャブ、左ストレートで井上に迫り、井上も右オーバーハンドで対抗。試合が温まってきた。4回終了時の公開採点は38-38×3でイーブンと出た。

 中盤も拮抗した展開となった。ライアンはジャブ、左ストレート、返しの右フックで迫り、井上は井上がググッと前に出てボディ打ちを見舞っていく。7回、井上が右を決めてライアンが一瞬バランスを崩す。井上は8回、ペースアップして引き離そうとするが、ライアンもまだまだ元気だ。8回終了時の採点は、76-76、77-75×2で井上がわずかにリードした。

 終盤も接戦が続いた。9回はライアンが打ち終わりに左アッパーをクリーンヒットしたが、それ以外は一進一退の印象。井上は圧力をかけきれず、ライアンも井上のガードを崩せず、互いにはっきりとポイントを取れないまま試合は終了。
 
 34歳対決に引き分けた井上は20勝12KO2敗3分。ライアンは22勝8KO11敗1分。井上は21年11月、ライアンは17年10月にそれぞれ現世界王者ティム・チューに敗れている。

 井上は控え室に戻ると、試合を‭ひと通り振り返ったあと「今日は感情が(試合に)‏入らなかった」を前置きして、早世したジムの後輩、坂間叶夢に言及。「坂間叶夢という素晴らしいボクサーがいたことを忘れないでほしい。彼は世界を獲る器だったし、実力のある選手だった。すごく真面目な選手で、近くにいた自分がかけた言葉があいつを追い込んだこともあったのかなと思う」と涙ながらに語った。

◇日本ユース・フライ級王座決定8回戦
野上翔(RK蒲田)[2-1(77-74、77-75、74-76)]富岡浩介(RE:BOOT)

 サウスポー対決。2回、野上が左ストレート、右、さらにボディにつなげて攻勢。3回以降、もみ合うシーンが多くてもどかしい。中盤は互いに決め手を欠く展開となった。

野上(左)は富岡に競り勝った

 6回、野上はアウトボクシングを試みるが、再び距離の詰まった攻防に。ラウンド終了間際、富岡の左アッパーが決まって野上がキャンバスに転がった。

 7回、今度は野上の左ストレートが決まり、富岡がグラリ。ダメージを負った富岡は野上にしがみついてスリップダウンを繰り返した。富岡は最終回に立ち直り、野上は詰め切ることができなかった。

 拓大出身の野上は3勝2KO。小差判定に泣いた富岡は7勝6KO4敗。

◇S・フェザー級8回戦
砂川隆祐(沖縄ワールドリング)[3-0(78-74×3)]湯川成美(駿河男児)

 ともにアマキャリアを持つ日本ライト級4位の湯川と日本S・フェザー級14位の砂川の対戦。砂川は脚を使いながらジャブから右アッパー、左ボディ、左ボディから左アッパーなど多彩でスピーディーなコンビネーションで先制した。

砂川(左)はコンビネーションが冴えた

 2回、湯川が距離を詰めて接近戦を仕掛ける。砂川がこれに応じると、湯川の右フックで砂川のヒザが一瞬ガクッとなる。さらにジャブ、ボディ打ちで迫る湯川に対し、砂川も左フック、右ショートで反撃した。

 3回は砂川がスイッチする湯川のガードの間から右ストレートを続けてねじ込んでいった。砂川の左フックで湯川の脚がふらつく。4回、砂川は右アッパー、左フック、多彩なパンチで湯川に迫る。湯川も負けずに打ち返すが、被弾の多さが心配だ。

 5回、砂川が右ボディアッパーを効かせて畳みかけるが、タフな湯川は左右のフックを強振。激しい打ち合いとなった。

 終盤は砂川が脚を使いながらヒットを重ねた。湯川もボディ打ちを見せるが、有効打の差は明らか。湯川は最後までガッツを見せたが及ばなかった。芦屋大出身の砂川は3勝2KO。湯川は8勝7KO2敗。

◇L・フライ級4回戦
磯金龍(大橋)[TKO1回1分45秒]キッティポン・ジンプッシャ(タイ)

◇女子アトム級4回戦
鎌田真央(升田)[引き分け1-1(39-37、37-39、38-38)]山田夏冴(セレス)

◇53.0キロ6回戦
落合壱星(セレス)[TKO6回1分18秒]寺崎和輝(リングサイド)
観衆=937人

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