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両者合わせて5度ダウン! 宇津木秀が保田克也を6回TKO、ライト級王座統一

2024年11月22日 1時33分

 21日、東京・後楽園ホールで行われた注目のライト級王座統一戦、WBOアジアパシフィック王者・保田克也(大橋)対OPBF王者・宇津木秀(うつき・しゅう、ワタナベ)の12回戦は、両者合計5度のダウンを奪い合う壮絶な展開の末、6回2分47秒で宇津木がTKO勝ち。かつて保持していた日本王座と合わせて3本目のベルトを手に入れた。

試合終了の瞬間、雄たけびを上げる宇津木

 宇津木が2度、保田が3度キャンバスに這った。しかもすべてのダウンが4回以降のもの。両者ダメージの色濃く、どちらが勝ってもおかしくない展開だった。しかし、そこを紙一重で抜け出したのは宇津木だった。

 サウスポーの保田が懐の深さを生かし、宇津木の入り際を狙う。宇津木はヒザを柔らかく使いながら、細かいステップとボディームーブで保田に迫る。開始からそういう構図で両者は動き出した。

 宇津木はショート連打を軽打から強打していき、手数でも上回る。保田は長い左ストレートを時折差し込んでいく。が、保田が最も得意とする左ボディーアッパーのカウンターは、宇津木が細かくステップインするために、なかなか打ち込めない。至近距離となって、宇津木がショート連打する隙間に左アッパーでボディーを叩いたものの、距離も短く、重心も後ろに置かされており、効かせることはおろか、宇津木の連打を止めることができなかった。保田の長い左ボディーカウンターに対する宇津木の対策は万全だった。

4回、宇津木を倒し返した保田

 それでもガードとフットワークで宇津木をいなしていた保田だが、宇津木のショート連打を止めようと4回に入るとやや攻勢に出る。が、ここで宇津木が左右ボディー攻撃から右ショートにつなげると、保田がヒザを着いた。

 立ち上がった保田を攻めていく宇津木。だが、ほんのわずか攻め手を緩めた刹那、保田の右フックが宇津木のアゴを打ち抜く。キャンバスにぐにゃりと倒れ込んだ宇津木のダメージは深刻に見えた。立ち上がったもののフラフラの状態で、保田の腰に巻きつくようなクリンチで逃れるのが精いっぱいだった。

 続く5回。しかし先に攻めたのは宇津木だった。保田をコーナーに詰めて連打する。だが、しっかりとタメを作った保田が左ストレートを突くと宇津木が再びダウン。それでも、保田はここでも決めきれず、試合は6回に突入した。

6回、このラウンド2度目のダウンを宇津木が奪う

 ダメージ濃厚、疲労も窺わせる両者だが、宇津木のショート連打が上回る。そして、一瞬の間を置いて、宇津木がワンツーを繰り出すとこれがドンピシャリ。保田に2度目のダウンを与えると、さらにギアを上げて攻める。ロープに釘づけにして連打、また連打。保田も起死回生の一撃を狙うが、左を空振りしたところへ宇津木の左フックを食って3度目のダウン。辛くも立ち上がったが、宇津木が連打を仕掛けるとレフェリーが保田を抱えた。

 ボクシングの原点を思い出させてくれるような両選手の死力を尽くしたやり取りに場内は歓喜の渦。ともにチャンピオンの名にふさわしい、誇り高い激突だった。OPBF王座初防衛も果たした宇津木は15勝(13KO)1敗。4度目の防衛ならず、王座を明け渡した保田は14勝(9KO)2敗。

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