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三代大訓「統一戦やる気満々」 丸田陽七太に6回終了TKO勝ちでアピール

2024年12月7日 23時59分

 7日、東京・後楽園ホールで行われた日本ライト級タイトルマッチ10回戦は、チャンピオンの三代大訓(みしろ・ひろのり、横浜光)が元日本フェザー級王者で3位の丸田陽七太(まるた・ひなた、森岡)を6回終了後の棄権によるTKOに下し、2度目の防衛に成功した。

 スピーディーでシャープな左ジャブを備える両者の戦いは、予想通りの高い技術戦で始まった。三代がじりじりと間合いを詰めて攻めの姿勢を見せれば、待ち構える丸田が左フックを合わせにかかる。距離と空間をキープする術に長けたふたりだけに、クリーンヒットを奪わせず、瞬間を斬り取り合う攻防はスリルを極めた。

 しかし3回に入ると試合が大きく動き出す。丸田の攻撃をかわした三代が強烈な左を2発突き上げて丸田の右目を直撃。これで視力を失った丸田は4回、一転して距離を詰め、左右アッパーで猛攻を仕掛ける。三代もこれで左目下を腫らされたものの、丸田の攻撃の合間に右をかぶせて挑戦者の連打をバッサリと切った。

 ともに速い刻みでリズムを取るが、相手の攻勢の受け取り方に違いが表れた。体を振って大きくかわそうとする丸田に対し、三代は繊細なステップで間合いを外し、頭をブレさせない。反撃態勢が常に取れており、目線も定まったまま。だから瞬間的な丸田のバランスの乱れを逃さずに、的確にジャブ、右をヒットさせたのだ。

 5回終了時点での公開採点はジャッジ三者とも49-46で三代がリード。

 視野が完全に狭まった丸田は時折ビッグパンチを放って逆転を狙ったが、三代は冷静にこれをかわし、タイムリーな左フックもヒットする。特に6回の左フックは、痛めていた丸田の右目を再び捕らえたのだろう。この回終了後のインターバル中に棄権の申し出があり、試合終了となった。丸田は右拳も痛めていたようだ。

 「丸田くんが強い選手なので、危機感を持って試合まで取り組めた。そのおかげで成長することができた」と三代。ジャブだけでなく、ステップワークを含めたすべての所作がここまで切れ味鋭い三代は久方ぶりだろう。期待されるのは、先日行われたOPBF-WBOアジアパシフィック王座統一戦で、大激戦の末に2本のベルトを束ねた元同僚・宇津木秀(うつき・しゅう、ワタナベ)との決戦だ。

 「統一戦はやる気満々です」と三代。ライト級ウォーズの行く末が楽しみだ。三代は17勝(6KO)1敗1分。勇気ある撤退をみせた丸田は14勝(10KO)3敗。

 この日、セミファイナルで行われた65.0kg契約8回戦は、日本S・ライト級11位の堀池空希(ほりいけ・ひろき、横浜光)がガオ・チイン(中国)に3回2分35秒TKO勝ち。今年4月のプロデビューから4連勝(3KO)とした。

 堅いだけでなく強いブロッキングを持つ堀池は、距離を詰めながら右アッパーからの左ボディーアッパーをズバズバと決めていく。だが、堀池の強みは防御でもガオにプレッシャーを与えられる点。ブロックで固まることなくステップでもガオの反撃をかわしつつ左フックをカウンタ―。また、両腕を巧みに動かしてガオの連打を受け流しつつリズムを取って攻撃に繋げられるため、ガオは手を出しながらも追い込まれていった。

 2回に左フックのリターンでガオにダメージを与えた堀池は、続く3回にボディワークも使ってガオの攻撃のタイミングをはっきりとつかむと、左フックのリターンをヒット。右を出してガオの左を誘い、そこへ右をかぶせて倒すと、立ち上がったガオをロープに詰めて右の連打。左ボディーで体をくの字に折ったガオに右を打ち下ろすとレフェリーが試合を止めた。

 「来年は自分より上のランカーを全員引きずり下ろしたい」と宣言した堀池。強さと巧さを兼ね備えた頼もしいホープだ。いいところなく敗れたガオの戦績は7勝5KO5敗。

 61.7㎏契約8回戦は日本ライト級12位の髙橋麗斗(パンチアウト)がチュウ・グォチ(中国)に初回1分23秒TKO勝ち。デビュー以来の戦績を3勝3KOとした。

 どっしりと構え、強い左ストレートをボディーに突き刺すサウスポーの髙橋。この一撃で怯んだチュウに、左右の連打を浴びせ、右フックから左をヒットさせて早々にダウンを奪うと、左から右ボディーフックを見せつつ、ふたたび強烈な左を決めて効かせ、レフェリーストップを呼びこんだ。チュウは8勝4KO5敗。

 元女子日本ミニマム級王者でWBA女子同級6位の鈴木なな子(横浜光)がL・フライ級女子6回戦に臨み、タイL・フライ級王者クンラテダー・クワサノウに3回1分24秒TKO勝ち。移籍初戦を飾った。

 初回から前後ステップを刻みながら軽い左を突いて、強い右につなげた鈴木は、2回からワンツー連打とかぶせる強い右でクンラテダーを圧倒。3回にリターンの右を1発もらったものの構わず攻めてレフェリーストップに持ち込んだ。鈴木の戦績は9勝3KO3敗。クンラテダーは7勝3KO4敗。

◆ミニマム級4回戦
山中蒼偉(熊谷コサカ)[引き分け0-1(37—39、38—38、38—38)]内田和志(鹿島灘)

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