S・フライ級も狙う? 激闘から一夜明け、寺地拳四朗、ユーリ阿久井政悟ら会見
2025年3月15日 11時12分
2025年3月13日 22時30分
13日、東京・両国国技館で開催の『U-NEXT BOXING.2』。メインイベントで行われたWBA-WBC世界フライ級王座統一12回戦は、WBC王者・寺地拳四朗(BMB)がWBA王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に最終12回1分31秒TKO勝利。L・フライ級に続き、2階級での王座統一とWBC王座の初防衛に成功した。
11回を終えた時点での採点は105-104が二者で阿久井有利(一人は106ー103で寺地)。しかし、最後の最後で寺地が一瞬の隙を突いた。阿久井の右に対し、右ショートをリターンして効かせると、クリンチで逃れようとする阿久井を攻め立てて連打。阿久井もなんとか反応していたが、寺地の右アッパー、左フックがかすめるとレフェリーが飛び込んで阿久井を抱えた。ダメージを考慮しての適切な判断だった。
シャープで強い左、右ストレートを見せて先制したのは阿久井だった。その威力を感じた寺地は2回に入ると対抗するように右を強めに返すが、阿久井のかぶせる右がヒットした。3回、阿久井の右がカウンターでヒットすると、寺地は左ボディーから右ボディーと目線を変えた攻撃に変化。互いに右アッパーをまじえながら左ボディー、強い右を当てるせめぎ合いになる。
4回、左ジャブの連打からリズムに乗りたい寺地だったが、阿久井は強い左ジャブと右ストレートで跳ね返す。互いに左ボディー、右ストレートの応酬となるが、阿久井の右強打からの連打が目立った。6回、阿久井の右アッパーからの右クロス、ショート連打が寺地に圧をかける。寺地も連打を返すものの、強く跳ね返そうという気持ちがよりつよくなっている印象だった。
寺地は7回に入ると手数を増やしていくが、阿久井は強いガード力と上体の動きでいなし、なおも右強打で迫る。すると8回、前後ステップでリズムとシャープさを取り戻した寺地が得意の左ジャブのヒット率を徐々に上げていき、10回には右ボディーストレートを突きさした。阿久井も重い左と右ストレートを返していくのだが、ジャブを被弾して右目周りが腫れ上がり出していた。そして阿久井が空振りするシーンも目立つようになってきた。
序盤から、強打とボディワークを繰り返していた阿久井の疲労はかなりのものだったはず。寺地と陣営は、序盤、中盤を耐えしのぎ、終盤に阿久井が疲労から集中力を欠くチャンスを逃さなかった。これまで何度もせめぎ合いを制してきた駆け引きの巧みさが、この試合でも最後の最後でモノをいった。
「阿久井選手はめちゃめちゃ強くて心が折れそうになった チームと応援してくれる人のおかげで勝てた」と苦しい試合を振り返った寺地。「次はバムとぜひやりたい。絶対勝ってみせるので」と、パウンド・フォー・パウンド・ランキングにも名を連ねるWBCスーパーフライ級王者ジェシー・ロドリゲス(米)との対戦を希望した。22年11月のL・フライ級王座統一戦(京口紘人=当時WBAスーパー王者)に続き、日本人同士の世界王座統一戦を制した寺地は25勝16KO1敗。涙を流しながらリングを後にした悔しい敗戦の阿久井は21勝11KO3敗1分となった。
試合後は「最後は気持ちの勝負でした。なんとか勝った、とりあえずホッとしています」と寺地。阿久井のパンチが効いたわけではないが「(戦い方の)判断が難しいところがあった」という。「ちょっとフワフワして、スイッチがバシッと入るまでなかなかいかなかった。向こう(阿久井)の気持ち(の強さ)もあるかもしれませんけど、僕の対応もある」と寺地は明かした。一方の阿久井は裂傷を負った口の治療のため病院に向かった。
2025年3月15日 12時57分
2025年3月15日 11時59分
2025年3月15日 11時12分
2025年3月13日 20時48分
2025年3月13日 19時34分
2025年3月13日 18時49分