山中菫、ルプレヒトともに計量合格 女子アトム級4王座統一戦、U-NEXTでライブ配信
2025年4月5日 12時49分
2025年4月5日 12時29分
4月8日の「ダイヤモンドグローブ」はトリプルメインイベント。日本王者が最強挑戦者を迎え撃つチャンピオンカーニバルの一環で、ライトフライ級、フライ級、スーパーウェルター級、全3階級の日本タイトルマッチが東京・後楽園ホールで開催される。
スーパーウェルター級は、ベテラン王者の出田裕一(いでた・ゆういち、三迫/40歳、19勝10KO16敗1分)が、ウェルター級で日本、東洋太平洋、WBOアジアパシフィック王座の3冠を制した実力者で同級1位の豊嶋亮太(とよしま・りょうた、帝拳/29歳、20勝11KO3敗1分)を挑戦者に迎え、4度目の防衛戦に臨む。
無傷の12連勝から一転、1勝15敗1分。4年のブランクを挟んで11連敗も喫した出田が王者となったのは38歳、プロデビューから苦節17年7ヵ月のことだった。昨年10月、40歳の誕生日を迎えた翌日の3度目の防衛戦は1歳下の加藤寿(熊谷コサカ)を2度倒した末に5回でストップ。試合前に「倒して勝つ」とテーマを掲げた通り、3戦ぶりとなるTKO勝ちを飾った。
その試合後のリングで「戦ってみたい」と指名したのが、最強挑戦者決定戦に臨む前の豊嶋である。今回は「激闘になるのは必至。自分が勝つとしたら、手数で上回って、僅差の判定で何とか勝つ」とイメージし、勝負のポイントに「執念、気持ち」を挙げる。
40歳の今も自身の成長を感じ、成長を追い求めることができる今が楽しい。以前、そんな日々を続けられるのも「チャンピオンだから」と話していた。「負けたら終わり」の覚悟が「自分の強み」と出田。「応援してくれる人たちの“勝ってほしい”という思いもすべて借りて、相手にぶつけたい」と語る。(取材/構成 船橋真二郎)
■豊嶋との試合がワクワクしない理由とは?
――豊嶋選手は指名挑戦者であり、「戦ってみたい」と名前を挙げた希望通りの相手でもあります。これまでの試合とは違う気持ちもありますか。
出田 あのときの気持ちと今の気持ちは少し違っていて。何と言うか、私の感覚では、もっとワクワクするイメージだったんですけど、実際に豊嶋くんが(最強挑戦者決定戦に)勝って、いざ試合をするとなったら、ワクワクという感じはなくて。
――あのときは“チャレンジ”というニュアンスを感じましたが。
出田 そうですね、はい。ただ、左右田(泰臣)くんとの試合(最強挑戦者決定戦)を映像で見て、強いのは間違いないんですけど、思い出したのが(初防衛戦で判定勝ちした暫定王者の)中島(玲)くんのことで。あのときは映像で見て、「いや、才能にあふれた動きをするな」と感じて、「この選手に勝てたら」と考えたらワクワクしたんですけど。
――言葉が合っているか分からないですが、中島選手は動きが派手というか、スピード、パンチの回転力とか、見映えがしましたよね。
出田 そうですね、はい。豊嶋くんは、ここがズバ抜けて優れているなとか、ここがすごいとかではなく、すべてのバロメーターが平均的に高くて、ものすごくバランスよく強いですよね。
――より堅実な強さというか、リアルな強さというか。
出田 そうですね、はい。だから、激闘になるのは必至だな、というイメージが今はあって。自分が勝つとしたら、手数で上回って、僅差の判定で何とか勝つ、というイメージになるので。絶対に疲れる試合になるだろうな、と。
――これまでも出田選手は競った試合を勝ち切ってきて、そういう勝負に持ち込むことができれば、自分の土俵というのもありますか。
出田 いや、ないです。結果、そういう激闘のようなことはしてきたんですけど、そんな展開を最初からイメージした試合はなかったんで。まあ、結果、試合は疲れるものなんですけど、あらかじめ疲れることが確定してるような試合って、そこまでワクワクしないですよね(笑い)。
――なるほど。しんどい試合になることが分かってきたから、ワクワクしないということなんですね(笑い)。
出田 そういうことなんだと思います。名前を挙げたときは、そんなふうに思ってなくて。もっと何か相手に届かないところ、足りないところが自分にあって、どこで、どう埋めていくかを考えないと勝てないのかな、と思ったら。疲れる試合になると分かってきて、ワクワクがなくなったんだと思います。私も別に疲れたいわけではないので(笑い)。
――ある意味、今回の試合に向けた心構えが固まったということではないですか。
出田 はい、固まりましたね。だから、無理にワクワクするのも違うんで、試合に向けて淡々と練習できてます。
■執念、気持ちで上回る
――手数で上回るというキーワードがありました。出田選手の特長でもあると思いますが、そこを前面に出していかないと勝てない相手ですか。
出田 勝てない相手です。だと思ってます。だから、その気持ちが確立できたからこそ、スパーリングで1ラウンド目から行けるようになった手応えが自分ではあって。今までは横井(龍一トレーナー)先生に「1ラウンドが大事だぞ」と言われて、自分でも行く気持ちがあっても行けない自分がいたんですけど。今回の勝つイメージは手数、その1点だと思ってるんで、それができてるのかなと思ってます。
――ペースがだんだん上がっていくのが出田選手ですが、自分のいいところを最初から惜しみなく出していきたいと。
出田 はい。で、そこにどういう変化を加えるか、ということは横井先生が考えてくれるので。自分は今の気持ちのままスパーリングをして、指摘されたことを練習したり、次のスパーリングで生かしたりしながら、その精度を上げていくことかなと思ってます。
――手数で激闘に持ち込んで、僅差で競り勝つイメージということですね。
出田 まあ、豊嶋くんも脚を使ったり、いきなり最初から打ち合いにはならないと思いますけど。最終的には接近戦、そういう中でも、お互い打って打たれてではなく、細かい技術というか、反応してガードしたり、うまく打たれないようにやってくると思いますけど。
――豊嶋選手、ガードが堅いし、うまいですよね。
出田 そうですね、はい。同じ接近戦で打ち合うにしてもスタイルは違うのかなと。豊嶋くんはガードしながら、細かく打ったり、強く打ったり、外から打ったり、中から打ったり、考えて打ってくるイメージで。くっついたら、とりあえず手を出していく自分と違った打ち合うタイプなので。話を戻すとワクワクしないのは多分、打たれて打ち返してみたいな我慢勝負、それは楽しいイメージなんですけど、それとはちょっと違うのかなと。
――熱い打ち合いにはならないということですかね。
出田 はい。自分は激しくやってるけど、豊嶋くんは冷静みたいな。まあ、だから強いんでしょうね、きっと。感情を押し殺してるわけじゃないでしょうけど、ちゃんと冷静に。
――今の言葉を捕まえると出田選手の場合、打ち合うときは熱い感情になるんですか。
出田 いや、どうなんでしょう? 感情というより執念ですかね。勝つ、勝つ、と思いつつ戦っているような、そういう執念みたいなのはあるのかなと。
――最後に僅差の勝負をものにする、勝ち切るのは気持ちとよく言いますが、勝つ、勝つという執念がポイントになりますか。
出田 はい。そこで上回らないと自分は勝てないと思います。自分が高めた気持ちより、豊嶋くんが強かったら負けるでしょうし、私が勝つ要因としても気持ちのつくり方、そういう執念、気持ちが大事になってくると思います。今までも結局、そこが一番だったので。
■負けたら終わりの“潔さ”が強み
出田 いや、でも、今日はほんとに“目からウロコ”でした。さっき(練習中に)聞いてたと思うんですけど。
――三迫(貴志)会長と、後援者の方ですか、3人で話していたこと。
出田 はい。先代の(三迫仁志)会長の時代からのジムの後援者の方なんですけど、ほんとにビックリでした。自分もいろいろな視点から見たり、考えてるつもりだったんですけど。まだまだだなと思って、考えさせられましたね。
――具体的なことは書かないですけど、今回の試合にも生かせそうですか。
出田 そうですね。今日、こうしたほうがいいと思うよ、と言われたことは今後に生きると思いますし、それを聞いて、面白いなというか、面白くなりそうだなと。まあ、練習で試して、自分の思ったようにできるか、どう機能させるか、いろいろ考える要素が増えるんで。まあ、考え過ぎないようにはしますけど。
――出田選手の好きそうな(笑い)。
出田 はい、好きな(笑い)。そこはワクワクしてます。今までなかったことですし、見方を変えて、自分のスパーリングやいろいろな試合を見ることで、また何か新しいことを得られるのかな、とも思うので。
――先ほど同じ日に試合をする川満(俊輝)選手に話を聞かせていただいて。よく2人で話しているところを見かけますけど、出田さんは僕にもいろいろ質問してくれて、僕の答えに「そうなんだー」と感心しながら聞いてくれると。
出田 あ、そうですね(笑い)。
――常に違う視点、別の考え方を聞いて、自分のヒント、気づきにしてきたし、それが変わらず楽しいということですね。
出田 楽しいですね。まだまだ自分は成長できてると思いますし、いろいろ新しい発見があって、自分がどう変わっていくのか、楽しみながらできてます。
――ただ、そんな日常を続けられるのはチャンピオンだからと言っていましたね。
出田 はい。負けたら終わりだと思ってます。でも、勝つことにはこだわってないですし、絶対に勝ちたいというこだわりもありません。ただ、前にも話したと思いますけど、負けないだろうという感覚があるんですよ。その自信というか。
――勝つ、勝ちたいではなく、負けない。
出田 あ、そうですね。負けないだろうじゃなくて、負けないですね。さっき勝つ、勝つと言いましたけど、負けない。その気持ちは強くあります。
――それは今回の試合も変わらず。
出田 特に今回の試合は強くあります。間違いなく相手は強いですし、負けるときは絶対に負けるんでしょうけど、そんな変な自信は強くあります。
――今年の10月で41歳になりますが、いつまで、ということではなくて、変わらずに1戦1戦。
出田 はい。そこも変わらずです。仮に負けたらスパッと。負けてもまだやれるとか、そんな気持ちが少しでもあったら勝てないのかなと。豊嶋くんはどうなんでしょうね? 負けたら続ける、続けないは分からないですけど、続けられる年齢ではありますよね。
――豊嶋選手は29歳で、今年が二十代最後の年ですね。タイトルを返上して、階級を上げてきたわけで、強い気持ちがあると思いますが。
出田 まあ、負けたら終わり、と思っているかもしれないですね。でも、まだ自分のような“潔さ”は持てないと思うので。そこは自分の強みでもあるのかなと。
――40歳と29歳の気持ちの持ちようは違うと。
出田 はい。違うと思います。それは今の自分の(年齢という)特殊な環境があるからこそなんで。
――負けないという執念、気持ちを支えに。
出田 そうですね。まあ、今回は勝ちたい、みたいな、ある程度、そんな気持ちも必要なイメージも少しあるんで。その気持ちを自分で湧き出せないのなら、前にも言ったことがありましたけど、自分を応援してくれる人たちの“勝ってほしい”という思いもすべて借りて、相手にぶつけていきたいと思います。
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