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タパレスがTKO勝ちでWBCインター・シルバー王者に

2025年4月27日 23時41分

 現地時間27日、フィリピンのサウス・コタバト州ジェネラル・サントス・シティに元2階級制覇王者マーロン・タパレス(フィリピン/121.2ポンド)が登場。井上尚弥戦から3戦目となるタパレスは空位のWBCインターナショナル・スーパーバンタム級シルバー王座決定戦でジョン・ジョン・ジェット(インドネシア/121.4ポンド)と対戦し、3回終了TKO勝利を収め、新王者となった。

 初回、タパレスがガードを上げてじりじりとプレッシャーをかけていくと長身のジェットはロープを背にしながら長いリーチを生かしジャブ、左フック。タパレスは右フックでジェットのバランスを崩すなど早々と主導権を握った。探りを入れながら慎重に試合を運び、被弾に注意しながら徐々にジェットのスタミナを削っていく。

 3回のタパレスは左右のボディーフックを好打。このラウンド終了後のインターバルでジェット側が棄権を申し出て試合終了となった。見ごたえのあったセミから一転、ミスマッチの空気が会場を満たした。

 33歳のタパレスは40勝21KO4敗。現在はWBC2位、IBF3位、WBAでも5位につけている。一方、元WBCアジア・コンチネンタル王者の30歳ジェットは15勝12KO2敗1分。

 セミファイナルはWBCインターナショナル・ミニマム級王座決定戦。ジョーイ・カノイ(フィリピン/104.2ポンド)がミン・ファット・サム(ベトナム/104.8ポンド)に10回2分56秒TKO勝利。カノイがベルトを手にした。

 サウスポーの強打者、カノイに対してサムはガードを高く上げ、じりじりと前に出ながらコンパクトなパンチを返す。パンチに強弱をつけながら要所で得意のアッパーをねじ込もうとするカノイにサムは退がらずに手数で対抗。やや有効打数でカノイ優勢ながら、目の離せない打ち合いでラウンドが進んだ。

 サムは被弾が目立つラウンドもあるが息を吹き返しては前進し、細かい連打で金星奪取に懸命。最終回、カノイがKO決着を狙うかのように攻勢を強める。しかしサムもコンビネーションでバランスを崩しながらも、打ってこいと手招きをし、前に出て逆転をあきらめない。

 ここでカノイがKOを諦めたかのように距離を取ると拍子木が鳴った。ところが、そのまま判定かと思われたところで唐突にサム側のセコンドがコーナーに上がり棄権を申し出て終了となった。サムはセコンドの判断に納得がいかず、リング上で数秒間両者は口論したが、会場からは健闘に歓声があがっていた。

 WBC&IBF3位、WBO7位、WBA13位と主要4団体にランキング入りしている31歳のカノイは24勝15KO5敗2分1ノーコンテスト。一方、世界上位を相手に大健闘を見せた30歳のサムは10勝8KO6敗。OPBFやWBOアジアのランキングに名前がないのが不思議なほどの試合内容だった。

 アンダーカードのライト級8回戦はフィリピン同級2位のクリスチャン・ピット・ラウレンテ(フィリピン/135.2ポンド)と、日本でもお馴染みの元WBOアジアパシフィック・ウェルター級王者、アルビン・ラグンバイ(フィリピン/138.4ポンド)が対戦。結果は2ラウンド1分59秒でラウレンテが勝利した。

 地元ジェネラル・サントス出身、18年ブダペストの世界ユース選手権で銅メダルを獲得したこともある元トップアマは「ゴールデン・ボーイ」の愛称を持つホープながら不活発なキャリアがもったいない。しかしこの日も体格差で劣りながらスピードで初回から優位に立ち、2ラウンドには左ストレートを好打してラグンバイのバランスを崩す。

 ラグンバイもスイッチし抵抗を図りながら体で押しこんでいく。が、ラウンド終盤、右フックをアゴに食ったラグンバイはズルズルと後退。ラウレンテが一気に仕掛け左ストレートを連発すると、最後はラグンバイが左を返そうとしたところにラウレンテの左がカウンターとなってクリーンヒット。ダウンしたラグンバイはカウント内に立ちあがったもののダメージを考慮したレフェリーが試合をストップした。

 25歳のラウレンテは14戦全勝9KO。アクティブにリングに上がれるなら日本人選手にも脅威となるかもしれない。敗れた29歳のラグンバイは14勝12KO10敗。これで4連敗。すでにナショナル・ランキングから名前を消している。

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