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井岡一翔届かず… ダウン奪うもマルティネスに3-0判定敗 

2025年5月12日 1時02分

 井岡、終盤の猛反撃もあと一歩届かず──。11日、東京・大田区総合体育館で開催された『LIFETIME BOXING FIGHTS27』。メインイベントで行われたWBA世界S・フライ級タイトルマッチ12回戦は、チャンピオンのフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)が、前王者で現6位の井岡一翔(志成)に114-113、115-112、117ー110の3ー0判定勝利を収めて初防衛に成功した。

マルティネス㊧、井岡ともに策を練って臨んだ再戦だった

 会場のボルテージが一気に燃え上がったのは10回だった。井岡が得意の右から左フックを試し打ちすると、これに食いついたマルティネスも同じパターンをリターン。しかし、これを待っていた井岡がふたたび右から左フックを合わせると、これがマルティネスのアゴを射抜き、王者は腰砕けとなって弾け飛びキャンバスに倒れ込んだのだ。

 しかし、立ち上がったマルティネスはフラフラの状態ながら必死に手数を出して回避。決めにかかろうとする井岡との激しいフックの振り合いが最終回まで披露された。

 昨年7月の前回対決で、左ボディーブローのカウンターで効かせた井岡はこれに固執しすぎるあまり、マルティネスの上手さに飲み込まれた形となった。その反省を踏まえ、この日は呼び込むスタイルから左ボディー、右ボディーアッパーを警戒させつつ、右ストレートや左フックのカウンターを狙うという複数の網を張って雪辱を期した。

 だが、マルティネスもやはりしたたかだった。前進しながら打ち込んでくる左右フックは威力・迫力とも前回同様だが、これがコンパクトに振り抜かれるために連打が利く。さらに、攻め時守り時の切り替えが巧く、間合いを作ってリズムをキープし、かつ井岡を出させない左ジャブが冴えた。ジャブの名手である井岡が差し合いで負けるシーンが目についた。

10回、見事な左フックでダウンを奪った井岡だったが

 4回、右と右の相打ちで優った場面をはじめ、井岡も左ボディーや右ショートストレートでマルティネスの動きを瞬間的に止める攻撃を重ねた。けれども、マルティネスはこれを相殺するボディーアタックをすかさず敢行。特に、かぶせるように放つ右フックが井岡のバランスを何度も崩させた。左右フックをしこたま叩きつけて両耳を腫れさせたことも、井岡のバランス感覚を削いでいたのかもしれない。

 中盤からは、井岡は相打ち覚悟でカウンターを決めに行き、マルティネスのボディーを刺してスタミナを削ぐことに成功していた。だが、回復させるために距離を取り、ラウンド終盤に猛攻をかけるマルティネスの戦術も見事だった。

「バムと王座統一戦をしたい」と、7月にWBO王者プメレレ・カフ(南アフリカ)との王座統一戦に臨むWBC王者ジェシー・ロドリゲス(米)との勝負を望むマルティネス(33歳)は18勝9KO。最後の最後まで男の勝負を演じ続けた惜敗の井岡(36歳)は31勝16KO4敗1分。

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