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八重樫東に秘策は? 新井田豊氏ロマゴンを語る

2014年8月23日 18時56分

八重樫東に秘策は? 新井田豊氏ロマゴンを語る(ボクシングニュース)
現在の新井田氏
 WBC世界フライ級王者の八重樫東(大橋)が同級1位ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)を迎え撃つ注目の一戦は9月5日、国立代々木競技場第2体育館でゴングとなる。通算戦績39勝33KO無敗、怪物と呼ばれるゴンサレスが初めて世界タイトルを奪った相手が元WBA世界ミニマム級王者の新井田豊さんだ。現在は横浜市内でフィットネスジム「BODY DESIGN 新井田式」を開く新井田さんにゴンサレスの強さを聞いた。

 新井田さんがゴンサレスと対戦したのは08年9月のこと。当時のゴンサレスは20勝18KO無敗の21歳。実際に対戦した最強のチャレンジャーは想像以上に強かったという。

果敢に戦った新井田氏だったが4回TKO負け

「事前の研究で、パンチが強いだけでなく、ガードがすごくしっかりしていることを分かっていました。ガンガン攻めてきながら、振りがコンパクトでスキがない。実際に試合をしてみると…これは強いなと思いました。まずはパンチの質が違う。体重を乗せてナックルをしっかり当ててくるから一発一発が重い。しかも軸がまったくブレないから連打がずっと続く。普通は連打を出せばある程度はバランスが崩れてくるものです。波がバーッときても、必ず終わりがくる。でもロマゴンは止まらないんです。体重の乗ったガチッガチッというパンチが止まらないんです」

 左に動こうも、右に動こうも、逃げ道を次々と寸断して相手を捕獲し、次から次にコンビネーションを繰り出すのがロマゴンの必勝パターンだ。新井田戦ではアッパーも効果的だった。右を外しても、すかさず左アッパーが追撃され、さらに間髪入れず今度は右アッパーがボディにズシリ。空振りさせても必ずフォローが来るから休む暇がない。スタートから苦しんだ新井田さんは、2回に左の鼓膜が破れ、目もラウンドを追うごとに腫れてしまった。後のなくなった4回に勝負をかけたが、ドクターチェックの末TKO負けを宣告されたのである。

 こうして聞いていくと、八重樫に勝ち目がないように思えてきてしまうが、実際のところどうなのだろう。八重樫とスパーリング経験もある新井田さんは、八重樫の体力をひとつのキーワードに挙げた。

記者会見でのツーショット

「八重樫は足も使えるし、もちろんパンチもあるし、何より筋持久力とか心拍とか、フィジカル面では負けてないんじゃないかと思います。ロマゴンはハードパンチャーなんですけど、やっぱり技術が高い。きれいに戦うとあっちに分があるような気がします。だからうまくかき回してフィジカルが生きるような戦い方をするというか。肩をぶつけてでも相手が前に出てくるのを止めるとか。それでもある程度は打たれると思うんですけど、そこで八重樫の体力、耐久力が生きるのかなと。あとは気持ち。ロマゴンは八重樫くらい精神力のある選手とやったことないと思うんですよね。そこがどうなるのか。すごく楽しみです」

 ゴンサレスは既に試合の18日も前に来日して調整に励んでおり、八重樫戦に並々ならぬ闘志を見せている。来週からは公開練習など公式行事がスタート。決戦へのカウントダウンが始まった。

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