最短出世記録更新なるか――。中部の大器・田中恒成(畑中)の世界初挑戦が決まった。5月30日、愛知県のパークアリーナ小牧でフリアン・イェドラス(メキシコ)と空位のWBO世界ミニマム級王座を争う。同級王座は高山勝成(仲里)が3月上旬に返上したもので、1位イェドラスと2位田中の決定戦がWBOに認められた。田中が獲れば井上尚弥(大橋)の6戦目を上回る国内最短プロ5戦目での世界チャンピオン誕生となる。
23日、田中の通う中京大学で記者発表会見が行われた。田中は「遠くにあると思っていた目標が目の前にある。こういう(世界戦の)舞台で力を出せるためのメンタルを試合までにつくっていきたい。必ずチャンピオンになります」と意気込みを表した。5戦目奪取の記録については当然質問が飛んだが「挑戦した選手は過去にもいます。獲得して結果的についてくるものだと思います」と“一戦必勝”を強調した。
相手のイェドラスは24勝13KO1敗の26歳。2013年7月に世界ランカーのカルロス・ブイトラゴ(ニカラグア)に12回判定負けしたのが唯一の黒星。右のファイター型で、畑中清詞会長は「タフでパワフルやからお客さんも喜ぶ試合になると思う」と語る。
中部地区で行われる世界戦はマルティン・カスティーリョ-石原英康戦以来10年ぶり。引退後教師に転身した石原さんは、岐阜・中京高校時代の田中の恩師でもある。田中は「いつも一緒に戦ってくれる人。今回は勝ちます」と晴れ姿を見せるつもりだ。また田中には戸高秀樹(元WBA・S・フライ級、バンタム級暫定)以来、中部地区5人目の世界チャンピオンの期待もかかる。