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河野公平「開き直ってやる」パンチ強化で井上撃破へ

2016年12月20日 16時19分

 東京・有明コロシアムで30日ゴングとなる「ボクシングフェス2016」でWBO世界S・フライ級チャンピオンの井上尚弥(大橋)に挑戦する元WBA世界S・フライ級王者の河野公平(ワタナベ)が20日、都内のジムで練習を公開、報道陣のインタビューに答えた。

「勝ったらすごいことだと思う」と河野

 井上にチャレンジする河野が生き生きとした表情で公開練習の日を迎えた。前日に計84ラウンドのスパーリングを打ちあげたという元WBA王者は「彼はパウンド・フォー・バウンド最強なので、こっちはプレッシャーに押しつぶされるのではなく、開き直ってやる」と全力ファイトを宣言した。

 試合決定戦の際、妻の芽衣さんに報告したところ、最初は「気持ちを作れるのであればいいと思う」と言われながら、翌日には「井上くんはやめたほうがいい」とはっきり言われた。話を持ってきた渡辺均会長には「やります」と返事してから、数日にわたり「本当にやるのか?」と何度も聞き返された。下馬評は河野の圧倒的不利。しかし「それだけやりがいがある。熱くなれる」と考えるのが河野という男なのだ。

 井上戦に向けては、2013年に日本タイトルマッチで対戦した同門の田口良一(現WBA・L・フライ級王者)からもアドバイスを受け、高橋トレーナーと対策を練ってきた。あの強打を食らわないのはもちろんだが、逃げ回ってばかりでは勝てない。8月のルイス・コンセプシオン(パナマ)戦では、序盤をディフェンス重視で戦い、結局判定負け。河野は「今回は何もしなかったら、本当に何もしないまま終わってしまう」とスタートから大いに仕掛けていくつもりだ。

 下半身強化に重点を置き、パンチの威力と伸びをアップさせるなど、やれることはやってきた。「当たると思う」というパンチも用意しており、話している様子からは、恐怖心よりも自分への期待が上回っていると感じられる。もし井上を下してタイトルを獲得すれば、36歳1カ月は日本人の世界王座獲得最年長記録。この試合にすべてをかけるベテランは「(勝負は)最初か中盤。あっと言わせますよ」と目を輝かせた。

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