27日米イングルウッドのザ・フォーラムでメインイベントとして挙行されたWBAウェルター級“レギュラー”王座決定戦は、同級3位ルーカス・マティセー(亜)が同級1位テーラチャイ・クラティンデーンジム(本名テワ・キラム=タイ)に8回1分21秒KO勝ち。WBC・S・ライト級(暫定)に続くタイトル獲得に成功した。
大柄なテーラチャイが快調な出だしを見せた。ストレートのような左ジャブをスムーズに繰り出し、マティセーを遠ざける。元チャンピオンのマティセーは2回から圧力を増した。
テーラチャイはマティセーの前進に対し、ジャブ、右ストレートで対抗。左右へのフットワークも生きるようになりマティセーの効果的な一発を食らわない。接近を許したとしてもクリンチを使ってアルゼンチン・マシーンの攻撃を封じていた。
たまりつつあった元王者のフラストレーションが爆発したのは8回だ。マティセーが打ち込んだワンツーを食らったテーラチャイはもろくもロープ際にダウン。立ち上がって打ち返したものの、今度は左ジャブをカウンターで直撃されてキャンバスへ。カイズSr主審がカウントを途中でやめて試合終了を宣した。
キャリア初の正規王座を獲得したマティセー(39勝36KO4敗1NC)は感激。「今後はダニー・ガルシア、マニー・パッキャオら強い相手と戦いたいね」と語っていた。一方のテーラチャイは世界初挑戦の舞台でプロ初黒星(38勝28KO1敗)を喫した。Photos/SUMIO YAMADA