前WBO世界S･フェザー級チャンピオンの伊藤雅雪（横浜光）があす12日、後楽園ホール「A-sign.Bee」のメインイベントで、5月の世界王座陥落以来となるリングに上がる。試合はライト級10回戦で、伊藤は60.9キロ、ルーベン・マナカネ（インドネシア）は59.6キロでリミットの61.2キロをクリアした。

　5月にアメリカでジャメル・へリング（米）に王座を奪われた伊藤（25勝13KO2敗1分）。今回はトレーニングの拠点をこれまでのアメリカではなく日本に置き、コンディショニングと身体づくりを中心に準備を進めてきた。伊藤は「ホルヘ・リナレスともスパーリングをして、どんどん良くなってきた。いまが一番伸びている気がする」と新たな環境に満足している様子だ。

　今回はライト級でどれだけの動きができるかという“試運転”との位置づけだが、「年末にチャンスのある試合がくるかもしれないと聞いている。そうなると実績のあるS･フェザー級だと思う。11月のベルチェルト（WBC･S･フェザー級王者）の試合は見に行くつもり」とも語っている通り、チャンスがある階級で勝負をかけるということだろう。

　いずれにしても「今回の試合が重要になる」のは事実で、伊藤は「復帰戦だからといって勝つだけの試合をするつもりはない」と粘りが持ち味のマナカネ（25勝14KO18敗1分）に格の違いを見せつけるつもり。前売りは完売、当日券も50枚程度と注目が高まっている。