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元プロ王者の佐藤幸治ら初戦突破 全日本選手権

2019年11月22日 8時17分

 アマチュアの第89回全日本ボクシング選手権大会が21日から阿久根総合運動公園総合体育館(鹿児島県阿久根市)で始まった。来年の東京五輪に向け、男子ボクシングの日本代表を決めるために最も重要な大会。この日は8階級の予選38試合が行われ、注目の選手たちが続々登場した。

38歳の佐藤(右)はRSC勝ちで初戦突破

 69kg級(ウェルター級)ではロンドン五輪代表で今年カムバックした鈴木康弘(K&Kボクシングクラブ)が関東大学リーグ全勝の強豪石灘隆哉(日大)を5-0判定で下し準々決勝に進出した。

4年ぶりに復帰した長身サウスポーは、ファイター石灘を徹底的にアウトボックスし、決定打を許さなかった。この階級は激戦区で、本命視されているチャンピオンの岡澤セオン(鹿児島体育協会)の他にも荒本一成(日大)、秋山裕汰(自衛隊体育学校)、金城大明(自衛隊体育学校)ら全国大会優勝経験者が揃っている。

 さらに強豪ひしめく75kg級(ミドル級)では、元プロの東洋太平洋王者で今年アマチュア復帰した佐藤幸治(日大)が登場。山中慎介さんら帝拳ジムの仲間も応援に駆け付ける中、38歳のベテランは菊池弥寛(東洋大)相手に積極的に打ち合いを挑み、右強打を炸裂させてダウンを奪うと、一気に追撃してこの回RSC勝ち。アマ・プロで戦ってきた経験と迫力で若い相手を圧倒してしまった。

 22日の準々決勝はいよいよ注目の一戦。昨年度のチャンピオン、森脇唯人(自衛隊体育学校)と激突する。この階級も宇佐美正パトリック(東農大)や近藤陸(自衛隊体育学校)らの強豪が出場している。 

 リングサイドには長谷川穂積さんも山中さんらとともに佐藤を応援したが、長谷川さんの一番のお目当ては57kg級の村田昴(自衛隊体育学校)。長谷川さんを慕って一緒に練習してきた弟分のような村田を励ましてきた仲だ。この日村田は金城集平(東洋大)に判定勝ち。ジャッジ全員が30-27と採点するフルマークの5-0判定で2回戦進出を決めた。

激戦の57キロ級で勝利の堤(右)

 この57kg級(フェザー級)も強豪が参戦する激戦区で、ライバルの堤駿斗(東洋大)は坂本達也(近大)に1ラウンドも失点することなく判定勝ち。他に藤田健児(自衛隊体育学校)も勝ち、リオ五輪代表の森坂嵐(東農大)は新鋭穴口一輝(芦屋大)に手を焼いたものの判定勝ちしている。

 24日の決勝で五輪階級6階級の日本チームが決まり、来年のアジア予選、世界最終予選に出場する。五輪ボクシングの日本男子は開催国枠として4階級に出場できるが、予選で資格を獲得する選手が出て、出場者数が増えることが期待されている。

 なお大会は24日の決勝まで連日午前11時に第一試合開始(入場無料)。

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