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原点は浪速のジョー“辰吉イズム”

きっかけのエピソード ビート選手名鑑 京口紘人 
原点は浪速のジョー“辰吉イズム”

2020年4月13日 14時51分

 最初は薬師寺戦の衝撃。「いやホンマもうね。会場はパンパンでしょ、で、あの途中で『効いてへん』と首振るシーン……結果は負けでしたけど、どこをとっても辰吉丈一郎。ストーリーの中心が丈ちゃん」。昨日見たばかりのようにしゃべる京口──当時(1994年12月)、未来の王者は1歳だったのだ。

辰吉ジャンプをする京口

 3歳から父の道場で空手を始め、小学6年生で大阪帝拳ジムに通いだした。ヒーローに大層可愛がってもらった。

 一通りのジムワークを終えてからジョーはまだ付き合ってくれた。「懸垂でしょ、左ボディ打ちだけで6ラウンドとか。次の日は体の左側半分、筋肉痛」。ジムを出ると、京橋駅そばの喫茶店へよく連れて行ってくれた。ミックスジュースが格別だった。

 丈ちゃんと出会わなければチャンピオン京口は生まれなかった、とは決して言い過ぎではない。実は薬師寺戦を見たのはその時ビデオで一度きり。なのによく覚えている。

「タツヨシというイズム。原点です」

 中でもやはり辰吉伝説の戴冠戦。「シリモンコンが97年。リチャードソンが91年か。俺まだ生まれてません。でも丈ちゃん、勝った瞬間こうやってね──」

 というわけで、ジャンプしてもらった。カメラのシャッターに合わせ、繰り返し、ジョーそっくりに跳んでくれた。きっとこれまでも何度も真似している。

 いずれ京口も自分の試合で? 「いや、アルグメド戦でやってませんし、今後もしないでしょう。初めて世界を獲った、あの判定コールを効いた時を超える感情はないと思うんで」。このこだわりは京口イズム。=ボクシング・ビート2019年10月号より=

■京口紘人(きょうぐち・ひろと)
生年月日 1993年11月27日
出身 大阪府和泉市出身
所属 ワタナベジム
アマチュア戦績 52勝14敗(大阪商業大卒)
スタイル 右ボクサーファイター
主なタイトル OPBFミニマム級王者、IBFミニマム級王者、WBA・L・フライ級スーパー王者
備考 デビューから1年3ヵ月、8戦目で世界王座獲得

左ボディは得意パンチ。世界王者となったアルグメド戦

◇戦績(14勝9KO)
2016.4.17 6R〇 KO2R2’55” ナーヨレック・シットサイトーン(タイ)
2016.5.16 6R〇 TKO1R0’33” ファンタ・ルークジャオメーサイトーン(タイ)
2016.8.7 8R〇 KO3R0’39” 宮崎拳一(大橋)
2016.11.15 8R〇 KO1R0’33” マイケル・カメリオン(比)
2016.12.31 6R〇 KO3R0’46” ジュヌエル・ラカール(比)
2017.2.28 12R〇 KO3R2‘22“ アルマンド・デラクルズ(比)
※OPBFミニマム級タイトルマッチ、王座獲得
2017.4.25 12R〇 判定 ジョナサン・レフジョ(比)
※防衛1
2017.7.23 12R〇 判定 ホセ・アルグメド(メキシコ)
※IBFミニマム級タイトルマッチ、王座獲得
2017.12.31 12R〇 TKO8R2’28 カルロス・ブイトラゴ(ニカラグア)
※防衛1
2018.5.20 12R〇 判定 ビンス・パラス(比)
※防衛2
2018.9.25 12R〇 TKO4R2’20” チボ・モナベザ(インドネシア)
2018.12.31 12R〇 TKO10R3’00” ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)
※WBA・L・フライ級スーパー王座戦、王座獲得
2019.6.19 12R〇 判定 タナワット・ナコーン(タイ)
※防衛1
2019.10.1 12R〇 判定 久田哲也(ハラダ)
※防衛2

 20年5月に大阪で3度目の防衛戦を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により中止に。新たなスケジュールは決まっていない(4月13日時点)。

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