2020年9月10日木曜日

現役最高峰カネロ GBPデラホーヤ氏とDAZN提訴 
スーパー・スターの次戦はさらに迷走

 世界で最も稼ぐ現役チャンピオン、S・ミドル級&ミドル級世界王者のサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ=写真)が映像配信サービスのDAZNとプロモーターのゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)、その社長であるオスカー・デラホーヤ氏を契約違反で訴えた。2億8000万ドル(約297億円)の損害賠償を求めている。米メディアが報じた。

 カネロとGBPは2018年10月、DAZNと5年で11試合、総額3億6500万ドル(約408億円=当時)の大型契約を結んだ。これに基づいてカネロは18年12月にS・ミドル級王者ロッキー・フィールディング(英)、19年5月に元ミドル級王者ダニエル・ジェイコブス(米)、11月にWBO・L・ヘビー級王者セルゲイ・コバレフ(ロシア)と対戦した。

 米メディアの報道を総合すると、対戦相手選びに関するDAZNとカネロ、GBPの理解の仕方に大きな溝があり、これが混乱の端緒になっているようだ。

 DAZNは契約当初からカネロとGBPに対し、大きな収益が期待できる元ミドル級3冠王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との第3戦を望んでいた。

 ESPNによると、GBPのデラホーヤ氏はDAZNにカネロとゴロフキンの第3戦を約束し、DAZNにはカネロの選んだ相手を拒否できる権利が与えられていた。しかしカネロはこのことを知らされておらず、それ自体が契約に違反すると考えている。カネロが昨年9月に内定しかけたゴロフキンとの第3戦を拒否し、11月のコバレフ戦を選択したのはGBPとDAZNへの不信感を募らせた結果だという。

 さらに今年に入ってから陣営は、S・ミドル級のWBO王者のビリー・ジョー・サンダース(英)や、WBAスーパー王者カラム・スミス(英)と対戦交渉。ところがボクシングシーンによると、DAZNはこれらの相手を認めながらも、「プレミアムな対戦相手ではない」と判断し、契約に定められた3500万ドル(約37億1000万円)の支払いに難色を示し、減額を求めたと報じられる。

 ESPNによると、カネロは「私はパウンド・フォー・パウンド、ナンバーワンのボクサーだ。リングの中で対戦相手を怖がることはない。放送局やプロモーターの過失でリングを離脱するつもりもない。私はボクシングに戻り、素晴らしいショーをファンに見せるために訴訟を起こした」とコメントしているが…。

 カネロが訴訟を取り下げ、「元の鞘に収まる」のが最も楽な解決方法だが、ここまでこじれてしまって、着地点を見いだすことはできるのか。しばらくは行方を見守るしかない。


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