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ボクシング・ビート10月号より

八重樫東引退記念アルバム 激闘王のリング人生 
ボクシング・ビート10月号より

2020年9月17日 16時13分

八重樫がオンラインで引退記者会見を開いたのは9月1日のこと。激闘王と呼ばれた37歳は引退の理由を次のように語った。

「決して体力に限界を感じたわけではないんですが、自分一人で続けることはできないし、いつも会長と松本さんと話し合って、積み上げてきたキャリアです。最後の最後に会長と相談して『やる気はあるけどチャンスがなければ辞めようと思っている』と伝えたところ、『もういいんじゃないか』という言葉をいただき、その言葉を受け入れて、決意が固まった感じです」

苦しかったことを問われ、「苦しかったことは何もなかったです」と答えた八重樫だったが、3人の子どもに質問が及ぶと、思わず声を詰まらせて言葉を絞り出した。「あいつらがいなければ世界チャンピオンにはなれていない……」

2013年4月、WBCフライ級王者の五十嵐に挑んだ際は、アマ時代4戦全敗の相手だったこともあり、練習から調子が上がらずに苦しんでいた。当時8歳の長男、圭太郎くんに励まされた言葉が忘れられない。「負けると思えば負ける、勝てると思えば勝てるよ、お父ちゃんって……」

大橋ジムの大橋秀行会長も、感慨深げにこう語った。「とても中身の濃い15年間だったと思う。3階級チャンピオンになってくれて、それ以上に八重樫のボクシングに対する姿勢、井上尚弥をはじめ若い選手がその背中を見て教わった」

激闘王というニックネームを「大好きです」と語った八重樫に数日後、じっくり話を聞くことができた。足かけ16年にわたるボクシング人生を思う存分語ってもらった。

最後のスパーは井上尚弥と

まずは現役を引退するにあたり、8月下旬に井上尚弥とスパーリングをしたことから話してもらおう。「現役最後のけじめをつけようと思いました。引退試合も考えなくはなかったですけど、試合となると試合を組む会長も大変ですし。スパーをしてみて、自分の体が動かないことがよく分かりました。詳しくはオンラインサロンを見ていただくと分かるんですけど(笑い)」

八重樫が初めて井上とスパーリングをしたのは、井上が中学3年生のときというから、もう12年も前の話になる(この映像もオンラインサロンで公開されている)。その次は井上が高校2年生のとき。八重樫の記憶では「ボコボコにされた」というから驚きだ。
※八重樫東オンラインサロン→https://gekitoo.com/

「尚弥がプロに入って、S・フライ級に上げる前まで何度もスパーリングをしましたけど、尚弥とスパーするときは3日くらい前からいろいろ考えてましたね」。井上とのスパーは「まったく気が抜けない」。だからよく考え、戦術を練ってスパーリングに臨んだ。

今回、井上と手を合わせたのは実に6年ぶりのこと。切磋琢磨し続けた後輩とのスパーは、八重樫にとって卒業にあたっての必然の儀式だったと言えるかもしれない。

「彼に引き上げてもらった」とまで言うモンスター井上尚弥の存在に始まり、プロ初期からラストファイト、そしてこれからの目標まで。八重樫東のキャリアをライターの渋谷淳氏が描く。「八重樫東引退記念アルバム “激闘王”の懸命なリング人生」記事全文は発売中のボクシング・ビート10月号に掲載しています。アマゾンでもご購入いただけます→http://amzn.to/3keiQ3M

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