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“真の男”タイソン戦で不利予想覆しベストバウト
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2020年11月9日 月曜日

ボクシング今日は何の日 ホリフィールドvs.タイソン1 
“真の男”タイソン戦で不利予想覆しベストバウト

 ラスベガスのMGMグランドでWBAヘビー級王者のマイク・タイソン(米)にイベンダー・ホリフィールド(米)が11回TKO勝利を飾ったのはいまから24年前の1996年11月9日。ホリフィールドにとってはキャリアのバストバウトであり、タイソンにとっては落日を決定づける試合となった。

 1980年代から90年台にかけて、ヘビー級の主役は“アイアン(鉄の男)”タイソンだった。90年に東京ドームでジェームス“バスター”ダグラス(米)に番狂わせで敗れたものの、それは油断した上での“ポカ”だと考えられた。

 婦女暴行罪で収監され4年ブランクを余儀なくされたのは痛かったが、復帰すると96年にWBC王座(のちにはく奪)、続けてWBA王座を獲得。全盛期ほどの勢いはなかったとはいえ、ホリフィールド戦を迎えた時点で30歳だったタイソンの神話はまだ生命力を保っていた。

 一方、クルーザー級王者からヘビー級王者になった“リアル・ディール(真の男)”ホリフィールドはこのとき最高の評価を得ていたわけではなかった。年齢は34歳になり、直近の7試合は4勝1KO3敗。両者は90年に最初の対戦話がありながらも流れ続け、ようやく実現した試合のキャッチフレーズは“ファイナリー(ついに)”。賭け率は9-1でタイソンの有利だった。

 ホリフィールドは鉄のハートでひるむことなくタイソンに立ち向かった。そして6回終盤、5回から続いたタイソンの攻勢をしのいだホリフィールドは左アッパーで鉄の男をキャンバスへ。ここで勝負は決まらず、さらに激戦が展開されたが、真の男は10回にワンツーからチャンスを作り、さらに右カウンターをぶち込んで勝利に近づく。11回、ダメージの残るタイソンにホリフィールドが連打を浴びせ、試合はレフェリーストップとなった。

 不利予想を覆し、34歳で王座に返り咲いたホリフィールドはこのあと、08年に46歳2ヶ月でWBA王者ニコライ・ワルーエフ(ロシア)に挑戦し、ジョージ・フォアマンが持つヘビー級王座獲得(45歳10ヶ月)の史上最年長記録を狙うものの0-2判定であと一歩及ばなかった。2011年までリングに上がり続けた骨太なキャリの中でも、あのタイソン第1戦はホリフィールドのベストバウトだと評されている。

 一方のタイソンはこの試合の7ヶ月後、ホリフィールドとのダイレクトリマッチで前代未聞の“耳噛み事件”を起こして反則負け。そのあと2005年までリングに上がったものの、再び世界チャンピオンのベルトを腰に巻くことはなかった。


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