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殊勲の矢吹正道「持ちこたえてチャンスが来た」 現役続行か引退かは「半々」とも

2021年9月22日 22時23分

V8王者の寺地拳四朗(BMB)を劇的な10回TKOで破り、WBC世界L・フライ級新チャンピオンに輝いた矢吹正道(緑)。試合後のプレスルームで会見に臨み、「(チャンピオンの)実感というか、拳四朗選手に勝ったんやなという感じです」と率直な心境を述べた。

試合後に会見する矢吹

互いにジャブをさし合った序盤は寺地優勢にも見えたが、矢吹本人も「40-36はチャンピオン(優勢)かなと思った」とは正直だ。それでも寺地のボクシングは想定内だったと語った。

「拳四朗選手の“弱”のジャブは全部(ガードで)無視して、強いのを打ってきたら自分のジャブを合わせたり、ワンツーを打ってくるのに自分の右ストレートを合わせたり」と作戦の1つを明かした。

寺地の猛攻に途中であきらめかけたことも明かした。矢吹はそれが何ラウンドなのかを記憶していないが、「持ちこたえて、チャンスが来た。来たので打ちまくった」という。福地主審のストップが入った瞬間は『やった!』という感じ」だったそうだ。

リング上のインタビューで「この試合で勝っても負けても引退するつもりだった」と明かして驚かせた。それほど寺地戦に賭けていたのだが、「命をかけても軽量級のファイトマネーは(稼げる額が)決まってるから。子どももいますし」と語った矢吹。「一番強いチャンピオンと戦ったので、これ以上やる必要がないかな」とも言っていた。現段階では引退と現役続行が「半々ぐらい」とのことで、時間をかけて考えることになりそう。

一方、連続防衛記録がストップした寺地は、負傷した右目上の傷の治療のため、病院に直行。かわりに父寺地永会長がメディア対応をした。

「あそこまでジャブが評価されないのは想定外」と寺地会長は序盤の採点を「悪くてもドロー」とみていた。コロナ陽性の隔離期間を経ての試合とあって注目されたコンディションは「悪くはなかった」が、「ベストではない」と認めた。

もっとも、敗北の結果は受け止めている。「(拳四朗が)10ラウンドで終わらせられるものと思いましたが、でもスタミナが切れたのかな」と寺地会長。そして「その(10回の)攻撃に耐えた矢吹選手が強かった」と新チャンピオンをたたえた。

前チャンピオンは試合後、この日の解説を務めた長谷川穂積さんに労われ、号泣していたという。

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