April
19
Friday

ボクシングニュース | ボクシングビート編集部制作

share

16°C Clear
Tokyo

Boxing News(ボクシングニュース)

Home > Match Information > 前日本S・ライト級王者の鈴木雅弘が辛勝 日本ライト級挑戦権獲得で逆2階級制覇に前進

前日本S・ライト級王者の鈴木雅弘が辛勝 日本ライト級挑戦権獲得で逆2階級制覇に前進

2021年10月30日 20時37分

「A-SIGN.BOXING&DANGAN244」が30日、後楽園ホールで開催され、メインの日本ライト級最強挑戦者決定戦は、同級2位の鈴木雅弘(角海老宝石)が同1位の利川聖隆(横浜光)に2-1判定勝ち。前日本S・ライト級王者の鈴木は階級を落としての“逆2階級制覇”に前進した。現在の日本王者はアジア3冠の吉野修一郎(三迫)。

鈴木(右)は終盤、利川の追い上げを何とか振り切った

左の差し合いで試合はスタート。身長で上回る利川がガードを固めながらジャブ、右ストレート、左ボディを繰り出し、鈴木もジャブ、左フックを打ち込んで試合を温めていく。2回、鈴木が利川の右の打ち終わりに左フックを合わせると、利川がキャンバスに崩れた。

鈴木は3回以降もペースを握り、多彩なパンチで利川を攻めると5回には右アッパーを決めて会場を沸かせ、左右のフック、ボディ打ちで利川にダメージを与えていく。ところが6回、流れを変えようとプレスを強めた利川に巻き込まれて鈴木がダウン。鈴木は試合後、「当たってないと思ったのにダウンになって動揺した」と振り返ったが、これで利川がすっかり勢いづいた。

利川は7回、ボディ打ちを軸に攻め続けて鈴木を下がらせる。ラウンド終盤に右を決めて鈴木はダメージを被った様子。8回も利川の攻勢が続き、鈴木がこれを何とかしのいで逃げ切った。スコアは76-74×2で鈴木、もう1人が77-74で利川だった。鈴木は7勝4KO。

「利川くんは気持ちが強かった。利川くんの分までがんばりたい。またチャンピオンになりたい」と日本タイトル獲得に意欲。王者の吉野は当農大の4学年上で雲の上のような存在だが、「世界ランカーの吉野先輩に挑戦するつもり」と語った。利川は14勝8KO7敗。

高山(左)は千葉から2度のダウンを奪った

◇53キロ8回戦
高山涼深(ワタナベ)[3-0(76-75、77-74、77-73)]千葉開(横浜光)
日本バンタム級9位の千葉と日本S・フライ級10位のサウスポー高山が対戦。中間距離で互いに譲らず、試合が動いたのは3回だった。高山が左ストレートを決め、右フックをフォローして千葉が尻からダウン。高山は立ち上がった千葉を攻めるが、今度は千葉の左フックが決まって高山が効いた。チャンスの千葉は畳みかけたものの、高山はこのピンチを何とかしのいだ。

高山の左再び火を噴いたのは5回。左ストレートがカウンターで決まって千葉が再び倒れる。後のなくなった千葉は6、7回と攻め、右ストレート、左フックを何発かヒット。8回、千葉はさらにクリーンヒットを重ねて逆転のムードを作ったが、高山が最後に打ち合って逃げ切った。元日本、OPBF王者の渡辺雄二さんの甥でもある高山はデビューから無傷の5連勝(4KO)。中嶋一輝(大橋)に敗れたOPBF戦に続く連敗の千葉は13勝8KO3敗。

◇S・フェザー級8回戦
渡邉卓也(DANGAN AOKI)[TKO2回2分57秒]三瓶数馬(協栄新宿)
元WBOアジアパシフィック王者で日本5位の渡邉がスタートから主導権を握った。右を上下に打ち分け、左フックもうまく使ってサウスポーの三瓶を中に入れない。渡邉は2回、少し前掛かりになった三瓶に右ストレートを決めて尻餅をつかせる。立ち上がった三瓶はサバイバルを図ったが、渡邉が攻め続けてストップとなった。1月に日本王者、坂晃典(仲里)に敗れてからの再起戦だった渡邉はたくましさが増した印象。38勝21KO10敗1分。三瓶は20勝9KO7敗。

◇63キロ契約8回戦
藤田裕崇(三迫)[2-1(77-75、77-76、75-77)]富岡樹(角海老宝石)
日本ライト級7位の富岡に強打の藤田が挑んだ。今回の試合から洪トレーナーとコンビを組み、ファイタースタイルを取り入れたという富岡はガードを高く上げて今までよりも近い距離を選択。富岡はジャブをコンスタントにヒットし、藤田はガードの上からフック、アッパー、ボディ打ちで富岡に迫った。3回、藤田が圧力を上回り、富岡をコーナーに追い込んで重いパンチを打ち込んでいく。富岡がヒッティングで左目付近をカットした。

4回、藤田がさらに攻勢を強めるが、富岡の左ボディで藤田の動きが止まる。再び藤田が盛り返し、今度は富岡がボディブローを打ち込み試合は一進一退。5、6回も互いに譲らぬ近距離での攻防が展開された。7回、藤田がグイグイ攻めて富岡を押し込み接戦から抜け出しにかかる。8回は富岡がようやく脚を使って有効打をヒット。判定は割れたが、パワーで上回った藤田に軍配が上がった。初8回戦で日本ランカー撃破の藤田は8勝6KO1敗。移籍第1戦を落とした富岡は7勝2KO5敗1分。

Related article
関連記事