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王座返り咲きの寺地拳四朗「ジャッジの好みにゆだねたくなかった」 試合後会見

2022年3月19日 20時07分

「幸せ、のひと言」――19日の世界戦で矢吹正道(緑)を3回KOに破り、WBC・L・フライ級王座に返り咲いた寺地拳四朗(BMB)はしみじみと雪辱の味をかみしめていた。負けて王座を追われた相手にダイレクトで挑んで奪還に成功したのは国内史上4人目(5例目)。「初めて世界戦で勝った時よりもうれしい」と寺地は言ったものだ。

拳四朗は長谷川さんの祝福を受けた

 のっけから全開でプレッシャーをかけて出た戦法は、加藤健太・三迫ジムトレーナーと練り上げてきたものだ。「ジャッジの好みにゆだねるボクシングはしたくなかった」(加藤トレーナー)と、序盤でポイントを獲れなかった初戦を教訓としたものだが大胆だった。

 ガードを離さず「(体が)浮かないよう」(寺地)、重心を下げて矢吹と対峙。ファイター型でくることを予想していなかったという矢吹は面食らい、修正の糸口を見つけることができなかった。そして3ラウンド、「初戦は踏み込まないと当たらない位置だったのが、踏み込まずに当たるところにいる」(加藤トレーナー)寺地が放った右が深く刺さり、試合を決めた。

 1月6日に本格復帰してからスタイル・チェンジに努めてきたという寺地。「加藤さんとやってきたことを信じた」と何度も強調したが、リスクをのみこんで勝負した度胸、そして短期間で矢吹対策をものにしたセンスはやはり並ではない。戦前、メディアに「自分の(従来の)スタイルを徹底する」と口にした際は「心の中で(違うことを言って)スミマセンと思ってました」と寺地は明かした。

 ちなみに今後もこの新しいスタイルで戦っていくのかと問われると、加藤トレーナーは「試行錯誤しながら。まだまだ強くなれる」と語った。あくまで対矢吹仕様ではあるが、寺地のボクシングの幅がさらに広がりを示したのは間違いない。

 試合終了直後、リング上では矢吹に「ありがとうございました。強くさせてくれてありがとうございました」と伝えたという寺地。まさに本心からの言葉だったに違いない。「自分が強いという自信を取り戻すことができました」(寺地) 写真=真正ジム提供

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