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堤聖也が8回TKO勝ちで日本バンタム級王座奪取 王者の澤田京介は初防衛ならず

2022年6月23日 20時50分

 日本バンタム級タイトルマッチが23日、後楽園ホール「DANGAN251」のメインイベントで行われ、挑戦者1位の堤聖也(角海老宝石)がチャンピオンの澤田京介(JB SPORTS)に8回47秒TKO勝ちで新チャンピオンに輝いた。澤田は初防衛に失敗。

堤(左)はダウンを奪って意向、着実に澤田にダメージを与えた

 互いにジャブを差し合い、様子を探る互角の立ち上がり。2回早々、堤がピッチを上げると、偶然のバッティングが発生、澤田が右目じりをカットした。そして中盤、堤の左フックが決まり、澤田がバッタリとダウン。立ち上がったもののダメージは深く、堤が一気に勝負をつけにいく。澤田は必死に耐えて、何とかこのピンチをしのいだ。

 巻き返したい澤田は4回、ワンツーを軸に反撃体制に入る。澤田が前掛かりになると、堤ははタイミングよく右をねじ込んだり、左ボディを決めたり、無理せずていねいに試合を組み立てていった。守っては左のガードを意識してバッティングを回避。5回終了時の公開採点は、48-46、49-45、50-44で堤がリードした。

 劣勢の澤田は6回、右ストレートをきれいに決め、会場が大きく盛り上がった。しかし堤がラウンド終了間際、左アッパーを決めると澤田が後退。7回は堤が連打で澤田を追い込み、さらにリードを広げた。

 あとのない澤田はKOを狙って前に出るが、堤は接近戦も巧みだった。8回、堤の右が決まると、ここまで懸命に踏ん張っていた澤田が大きくグラついた。堤が畳みかけたところでストップとなった。堤は6勝5KO2分。澤田はかなりのダメージを受けながら奮闘したものの逆転ならず。15勝6KO3敗2分。

8回にストップを呼び込みガッツポーズの堤

堤の話「ボクシング初めて13年、初めての日本一です。今日のために人生をかけてきました。応援ありがとうございました。3年以上勝利する姿を見せることができなかった。この場で勝利できたことをうれしく思います。澤田選手が強くて、戦ってありがとういう気持ちが強い。これから実感が湧いてくると思う。目標とする世界に向けて1個1個がんばりたいです」

 勝利者インタビューの最後に堤は、「ちょっと言わせてもらいたいことがある」と前置きして、母親への感謝を口に。「お母さん、このベルトはあなたのおかげです。あなたがいたから今日この日を迎えることができた。本当に愛している。世界を取る姿も絶対に見せるから、それまで元気でいてください」と力強く語り、会場から大きな拍手をもらった。

和氣(左)は格の違いを見せつけて生き残った

◇S・バンタム級8回戦
和氣慎吾(FLARE山上)[TKO7回2分56秒]水谷直人(KG大和)
 前戦で井上拓真(大橋)に敗れた元OPBF、日本王者の和氣が再起をかけて日本S・バンタム級9位の水谷とサウスポー対決。水谷が高いガードと低い構えで前に出て、スタートからクリンチ、もみ合いのシーンが多く見られた。それでも和氣が左ボディをコンスタントに決め、ガードの上からもよくパンチを打ち込んで優勢に試合を進めた。

 和氣は5回、左アッパー、左ストレート、左ボディを決めて水谷を追い込んでいく。水谷も下がらず、右フックを何度か決めて会場を沸かせるが、被弾が増えて苦しくなる。水谷の右目が腫れていった。和氣はコツコツと水谷にダメージを与え、7回にパンチが決まったところで主審が水谷の体を抱えた。34歳の和氣は28勝20KO7敗2分。水谷は9勝3KO8敗2分。

和氣の話「前回、井上拓真選手と戦って負けてから進退のことをすごく考えた。再起するにあたって中途半端にだけはやりたくないと思った。今度こそ絶対に世界チャンピオンのベルトを巻くんだ、という強い意志で復帰戦の舞台に立った。

重圧はすごくあった。蓋を開けてみて苦戦したという思いも強い。ただ、今回こうやって勝ったということは自分に次の舞台がまた用意されるということ。舞台が用意される限り、死ぬ思いでリングに上がります」

◇54.0キロ6回戦
梅津奨利(三谷大和S)[負傷引き分け2回1分16秒]東大河(平仲BS)
 梅津が2回、距離を詰めて攻勢に出ると、東もこれに応じて右を打ち込み、試合はヒートアップ。ここで偶然のバッティングが発生誌、東が右目を痛めた。ドクターチェックの末、これで試合は終了した。梅津は7勝6KO1分。東は7勝2KO5敗2分。

最後までスピードの落ちなかった比連崎(右)が雪辱した

◇S・フライ級6回戦
比連崎爽晏楽(川島)[2-0(58-56×2、57-57)]篠田将人(野口)
 スタートはサウスポー篠田が自慢の強打で比連崎に迫った。長いリーチとスピードが武器の比連崎はブロッキングとフットワークで篠田の強打を空転させ、試合が進むにつれてペースを上げていく。終盤、疲れの見える篠田にコンビネーションを打ち込んで突き放した。比連崎は昨年の東日本新人王決勝でTKO負けした篠田にリベンジ成功。6勝2敗。昨年の全日本新人王、篠田は初黒星で4勝3KO1敗。

◇バンタム級4回戦(東日本新人王予選)
船橋良太(大里KNUCKLE)[3-0(39-37×3)]中島彬(KTT)

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