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充実の王者 京口紘人インタビュー 会心のメキシコ防衛戦、寺地拳四朗のこと、そしてフライ級進出…

2022年7月20日 15時08分

 エステバン・ベルムデスを撃退し、メキシコからベルトともに帰還したチャンピオンはあわただしい日々を送っている。その合間の貴重な時間を拝借して話を聞いた。ベルムデス戦のこと、そして寺地拳四朗戦やフライ級進出など今後のこと――。(渋谷淳)=ボクシング・ビート8月号より=

 リスクを取らないとリターンはない――。京口が有言実行の海外防衛を成功させた。それにしても自身初の完全アウェイでKO防衛とは恐れ入る。試合から約1ヵ月後、都内のカフェで話を聞くと、チャンピオンの言葉には充実感がみなぎっていた。

「それだけの結果と評価は得られたのかなと思っています。アウェイの洗礼? レフェリングが少し向こう寄りだったこと以外に問題は何もありませんでしたね。やっぱりプロモーター(マッチルーム)がしっかりしていたのが大きいと思います」

 世界中でイベントを手がけるマッチルームという後ろ盾が大いに役立ったというのはその通りだろう。そうした中で、京口が最も苦労したのが標高、空気の薄さだったという。

 当初、試合地は標高2200メートルのメキシコシティと発表され、京口は日本で低酸素トレーニングに励み、高地対策を進めていた。それが途中で標高1500メートルのグアダラハラに変更となり、少し下がったことで「ひと安心」というムードが漂ったものだったが……。

「試合の10日前に現地に入って、ランニングをしてもミット打ちをしてもきつい。世界ランカー(現WBC11位のエリク・ロペス)と4度スパーリングをしたんですけどめちゃめちゃきつかった。低酸素トレーニングをやっていたのであれくらいで済んだのかもしれない。いずれにしても試合前の調整段階でかなり不安になりました」

 標高が高くなると気圧が下がり、その分酸素は薄くなる。標高1500メートルは標高0メートルの84%の酸素濃度になるのだ。

 さて、どうしたものか。京口は試合4日前、ひとつの解決法を発見した。それは呼吸方法だった。

 「なんでこんなに苦しいんだろうと思っていたとき、1回口で大きく呼吸をしてみたら楽になった。あっ、そうかって思いましたね。日本人選手ってそんなに肩で息をしたりしないけど、外国人選手ってオーバーに呼吸したりするじゃないですか。それって酸素が薄いところに慣れている選手の呼吸法なんだなと。鼻だけで呼吸すると酸素を取り込む量が少なすぎてすぐ息苦しくなる。だから口で大きく呼吸する。これ、高地で試合をするなら絶対にオススメです」

 それでも普段鼻で呼吸をしている京口がいきなり呼吸法をすべて変えられるわけではない。観衆は1500人ほど。「ブーイングと声援が半々」のアリーナで、京口は息切れしないよう慎重にスタートを切った。

 ただし2回に右アッパーを効かせたことで「いける」と感じて少しペースアップしてしまう。4回には終了間際にロングの右フックをもらってポイントがベルムデスに流れた。京口はここで戦い方を変えた。…

 メキシコの快挙、そして今後の展望。チャンピオン京口が語る! 記事全文は発売中のボクシング・ビート8月号に掲載しています。
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