April
24
Wednesday

ボクシングニュース | ボクシングビート編集部制作

share

14°C Mist
Tokyo

Boxing News(ボクシングニュース)

Home > Match Information > 世界にらむ阿部麗也 WBOアジア&日本フェザー級王座V1も「内容はよくなかった」

世界にらむ阿部麗也 WBOアジア&日本フェザー級王座V1も「内容はよくなかった」

2022年12月3日 21時46分

 WBOアジアパシフィック&日本フェザー級タイトルマッチが3日、後楽園ホール「ダイナミックグローブ 大和魂」のメインで行われ、2冠王者の阿部麗也(KG大和)が挑戦者2位の前田稔輝(グリーンツダ)に2-0判定勝ちで初防衛に成功した。スコアは117-111、116-112、114-114。

阿部(右)はジャブがよかった

 サウスポー対決。互いにフェイントをかけながら相手を誘い合った。阿部は前田が手を出すとスッとバックステップ。阿部はジャブの差し合いで上回る。パンチの交換は少ないものの、2人が交錯する一瞬に目が離せないという立ち上がりとなった。3回、阿部の左が顔面をとらえるが、前田が鋭い左を決め返す。前田が口から出血した。

 阿部は5回に少し距離を詰めて右フックをヒット。前田は偶然のバッティングで側頭部をカット。6回、阿部が左ストレートを決めるが、またしても前田が決め返す。7回は阿部が左を打ち込んで直後に前田の左ストレートを決め、阿部が右目上部から出血した。

 8回、前田が少し前のめりになる。前田の右が当たるが、阿部が離れ際の左フック、中間距離からの左ストレートで流れを渡さない。9回は前田が打ち終わりに左を打ち込む。終盤は前田が攻めの姿勢を見せるものの、阿部がさばいて、さばいて、ジャブを決めるというボクシング。最終回、前田の攻撃をしのいだ阿部が辛くも逃げ切った。

 IBF5位を筆頭に4団体で世界ランキング入りしている阿部は24勝10KO3敗1分。次戦はチャンピオンカーニバルで一度負けている日本タイトル指名挑戦者、佐川遼(三迫)との防衛戦か、IBF指名挑戦者決定戦の話があれば、そちらを選択する可能性もあるという。への日本拳法出身の前田は10勝5KO1敗。プロ初黒星となった。

阿部の話「(7回に)カットするまではポイントを取りながらペースも取れていたと思う。本当なら後半にジワジワと距離を詰めていこうと思っていたけど、血がたれてきて攻めるのに迷いが生じた(片渕会長によると傷はかなり深かった)。最後に2ラウンドは(ポイントで勝っていると思ったので)無理をしないという指示だった。初防衛をはたしたので最低限のことはしたのかなと。

前田選手は口が開いていてたぶんアゴが折れていたと思うけど、それで最後は出てきたので気持ちが強いと思った。(今後は)どうなるか分からないけど、きたチャンスをものにするだけです」

ゴング後の加撃で安藤がダウン。赤コーナーに謝る狩俣

◇L・フライ級8回戦
安藤教祐(KG大和)[反則失格5回終了]狩俣綾汰(三迫)
 狩俣がガードを固めて前進し、日本同級7位の安藤がサイドに動きながらジャブに右フックで狩俣をコントロールしようとした。安藤が好スタートを切ったかに見えたが、狩俣は3回、右をヒットするとチャンス到来。安藤が立て直したかに見えたが、狩俣が右フックから左フックを決めて安藤がキャンバスに沈んだ。

 4回、脚を使う安藤を狩俣が追いかけ、大きなフックを振っていく。終了間際に安藤がパンチを決めて反撃に転じた。5回は両者ともにダメージを負い、一進一退の展開となる。ラウンド終了のゴングが鳴るが、狩俣がゴング後に放った左フックで安藤がコーナーに崩れるようにダウン。ダメージは深刻で、ここで試合は終わった。

 会場に怒号が飛び交う中、リングアナウンサーが「狩俣選手のゴング後の加撃により試合続行不可能となり、5ラウンド終了、反則失格により安藤選手の勝ちになります」とアナウンス。試合後、狩俣が赤コーナーの安藤に謝り、安藤も大きくうなずいた。

右フックを決める岡田(右)

◇48.5キロ8回戦
岡田真虎(JB SPORTS)[2-0(80-72、77-76、76-76)]内田勇気(KG大和)
 内田は忙しく出入りして手数を出すボクシング。サウスポーの岡田は2回、左ストレートを何度か合わせ、ラウンド終了間際にはコーナーに内田を追い込んで連打で攻めた。岡田は3回以降、右アッパーは左ストレートでチャンスを作り、畳みかけるシーンを何度も作ったが、闘志の衰えない内田はそのたびに盛り返し、しつこく手を出し続けた。岡田は7勝2KO4敗1分。内田は8勝1KO10敗。

山口は初回に右でダウンを奪った

◇56.5キロ6回戦
山口臣馬(帝拳)[3-0(59-54×2、58-55)]平野和憲(KG大和)
 元WBA・L・フライ級王者の山口圭司さんの息子、山口がプロ4戦目。初回、ジャブの差し合いから右の相打ちで山口のマウスピースが飛んだ。マウスピースを入れ直した直後、山口の右が炸裂して平野がダウン。立ち上がってゴングが鳴った。

 2回以降、体格で上回る平野がジャブ、右ストレートで攻め、スピードのある山口が平野の強打をうまくいなして、左フック、左ボディを打ち込んでいった。4回、山口が距離を詰めて左フック、左ボディで迫るが、平野が右ストレートを決めて山口が後退。畳みかけたところで再び山口のマウスピースが落ちた。

 一発のある平野は何とか右で逆転しようと山口に迫ったものの、上体の柔らかい山口は左をうまく使って近づいたらボディ打ち。最後まで崩れなかった。山口は3勝2KO1分。2020年全日本新人王の平野は3連敗で。4勝4KO3敗1分。

◇S・バンタム級6回戦
秋間瑞輝(宮田)[TKO2回2分46秒]髙橋烈(KG大和)
 初回、秋間が右ストレートを決めて先制した。髙橋は飛び込んでの左フック、距離を詰めてボディ攻撃で秋間に迫ったが、秋間は2回にも右ストレートをクリーンヒット。巻き返そうとする髙橋に対し、最後もワンツーをきれいに決めて髙橋をキャンバスへ。主審がノーカウントで止めた。秋間は6勝4KO4敗2分。昨年の東日本新人王、髙橋は4勝2KO2敗。

◇S・ライト級4回戦
松村虎太郎(横田S)[3-0(38-37×2)]廣瀬悠斗(KG大和)

◇52.5キロ4回戦
齋藤暸(KG大和)[3-0(40-36×2、39-37)]堀江尭斗(FLARE山上)

Related article
関連記事