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2022年全日本新人王 MVPは東に続きスコーピオン金太郎 敢闘賞は石井武志、技能賞は松本海聖

2022年12月17日 19時05分

 第69回全日本新人王決定戦が17日、後楽園ホールで開催され、11階級で熱戦が繰り広げられた。最優秀選手賞は東日本決勝に続いてS・ライト級のスコーピオン金太郎(三谷大和)が選ばれた。敢闘賞はミニマム級の石井武志(大橋)、技能賞はバンタム級の松本海聖(VADY)。全日本新人王12人の内訳は東が5人、西が7人だった。

◇ミニマム級5回戦
石井武志(大橋)[TKO1回2分59秒]池田雅史(ハラダ)
 キックボクシング出身の石井がプレスをかけ、左ボディを打ち込んでいった。池田も強気に手を出したが、石井が右を打ち下ろすと池田がダウン。再開後、左フックで2度目のダウンとなった。池田はここから懸命に手を出して抵抗したが、最後は石井の右で崩れ落ち、ストップとなった。石井は5勝4KO。池田は6勝3KO6敗。

石井の話「今日勝って初めて1勝だと思ってこの7カ月やってきた。前回の試合が終わって(判定勝ちで)悔しくて、3日後に合宿に行って、今回KOだけを狙ってがんばってきて結果につながってよかった。今日でランカーになると思うので、来年はランカーの選手を一人一人倒してチャンピオンになりたい」

◇L・フライ級5回戦
松江琉翔(JM加古川)[3-0(49-46×2、50-45)]服部凌河(横浜光)
 現役高校3年生の18歳、松江はフットワークとジャブのアウトボクシング。ファイターの服部が松江を追いかけた。2回、松江が右カウンターを決めてチャンスを作ると、3回は前に出ようとする服部にジャブ、ワンツー、ボディブローも打ち込んでさらに引き離しにかかる。松江は4、5回も軽快に動き、服部に反撃を許さなかった。高校3年生の松江は5勝1KO。服部は4勝3KO1敗。

松江の話「今までの中で一番強い相手だと思っていたので、いつもより練習して勝ててよかったです。(両親や小学校の先生が応援に駆けつけ)ずっと応援の声が聞こえてきたので、がんばれてよかった。このままずっと勝ち続けて世界チャンピオンになりたい」

◇フライ級4回戦
二階堂迅(ディアマンテ)[TKO3回2分40秒]長谷川優太(熊谷コサカ)
 立ち上がりは西技能賞の二階堂の鋭いジャブが目を引いた。長谷川もよく動きながら右をかぶせたり、ボディを打ったり、互いに持ち味を出し合った。2回は打撃戦。長谷川は左右のボディを打ち込むが、二階堂がワンツー、返しの左フックを決めて長谷川にダメージを与える。3回も打撃戦は二階堂が優勢。右、左フックを再三決めると右で長谷川がダウン。立ち上がった長谷川はガッツを見せてフックを振っていったが、最後は主審が試合を止めた。初KO勝ちの21歳、二階堂は5勝1KO。長谷川は3勝2KO2敗1分。

二階堂の話「すごく緊張していて最初から硬かったけど、なんとかジャブが当たって自分のペースに引き寄せることができた。相手は気持ちが強くて、当たっても効いてる感じがしなかった。ダウンとったときにセコンドから小さくまとめろと言われて、ストップまで持っていけた。僕が目指しているのはもっともっと上のベルト。みなさん応援よろしくお願いします」

◇S・フライ級5回戦
佐野遥渉(平石)[3-0(49-46、50-45×2)]五十嵐春輝(湘南龍拳)
 西MVPの19歳、佐野と東技能賞の五十嵐が激突。サウスポーの五十嵐が体を振りながらプレッシャーをかけ、身長174センチの佐野がタイミングよく右を打ち込むボクシング。佐野の右が初回から五十嵐をとらえ、その後も単発ながら右ストレートを上下に打ち込んでいった。

 五十嵐は4回、距離を詰めて手数で佐野に迫ったが、佐野もよく手を出し、逆に右を決めてジャッジにアピールした。最終回、ラスト30秒で五十嵐が逆転を狙って猛然と手を出し、平石もこれに応じて終了のゴングとなった。静岡・飛龍高で高校選抜3位の実績を持つ佐野は5勝2KO1分。父の一雄さんは角海老宝石ジム所属のプロボクサー。五十嵐は6勝3KO2敗1分。

佐野の話「最後はここであきらめたらすべて無駄になると思って打ち合った。小学校のころ、練習するところがないとき、自宅におじいちゃんが練習場を作ってくれた。おじいちゃんがいなかったらここまで来られなかった。勝ち続けていずれ静岡から初の世界チャンピオンになりたい」

◇バンタム級4回戦
松本海聖(VADY)[TKO4回1分38秒]熊谷祐哉(M.T)
 松本はフットワークを使いながらジャブ、ワンツー、左フックというきれいなボクシング。熊谷もフェイントから強打を狙ったが、松本が動じることはなかった。松本は2回にピッチを上げ、3回にはアッパー、左右のフックで熊谷を追い込み、ラウンド終了間際に右でダウンを奪った。最終回も松本は容赦なく攻め、最後は右ストレートで熊谷を沈めた。松本は4勝3KO。熊谷は4勝2KO2敗。

松本の話「(小学校1年生からVADYジムで練習してジム初の全日本新人王)お世話になっているみなさんに恩返しができたと思う。“圧倒的に”を意識していたので、それができたんじゃないかと思う。1戦1戦勝っていって必ず世界チャンピオンになります」

◇S・バンタム級5回戦
安村綺麗(ディアマンテ)[3-0(48-47、49-46×2)]星野凌(JB SPORTS)
 星野がガードを固めてジワジワ前に出て、リーチで勝る安村が脚を使いながらジャブを突いていった。初回終盤、星野が右を決めて会場を沸かせた。2回、星野のフックを外して安村が右をクリーンヒット。アウトボクシングを貫く安村は3回、左フックを決めて星野をグラつかせた。

なかなか安村をつかまえられない星野は4回、ようやく安村をコーナーに追い込み、右を盛んに打ち込むものの安村はこれをしっかりかわした。星野は最終回、右を決めて逆転に望みをつないだが、安村は最後まで崩れなかった。安村は6勝2KO。星野は6勝2KO2敗。

安村の話「プロで6戦目、初めて喜びました。思ったより星野選手のプレスが強くてまとめにいくところでまとめられなかった。一つの目標を達成できてうれしい。(フライ級の二階堂と)2人で最後まで勝てることができてうれしい。来年は24歳になる年なのでユース・タイトルを狙いたい」

◇フェザー級4回戦
岡本恭佑(HKスポーツ)[2-0(39-37×2、38-38)]廣瀬祐也(協栄)
 岡本が右を狙い、サウスポーの廣瀬が上体を盛んに動かしながらそれに対処する立ち上がり。序盤はシャープな右を打ち込む岡本がやや優勢だ。廣瀬は3回、パンチをボディに集めて巻き返しを図る。最終回は廣瀬が右フック、左ストレートで攻めたが、岡本の右ストレートが何発か決まった。18歳の岡本は4勝1KO1分。廣瀬は7勝3KO3敗1分。

岡本の話「KOを狙っていたけど、そんなことは言えない情けない試合をしてしまった。ここまでこれたのは1人の力じゃない。会長をはじめみんなに感謝したい」

◇S・フェザー級5回戦
大谷新星(真正)[3-0(48-47×2、49-46)]岩本星弥(JB SPORTS)
 大谷がパワフルなパンチをガードの上から叩き込んでいった。岩本も対抗して右ショートを決めると、大谷の動きが一瞬落ちる。大谷が再びパワフルに攻めて、初回から緊張感のある攻防となった。2回、岩本は頭をつけての戦いを選択、ショートパンチの応酬となった。体格の勝る岩本は3回も接近戦を挑み、大谷をロープに押し込む。大谷も右をねじ込んで熱戦となった。

 4回、大谷が左フックを決め、接近戦から抜け出すと今度は右をヒット。これは効いたかに思われたが、岩本はタフだ。畳みかけようとした大谷を押し返した。最終回は岩本が大谷を押し込んで優勢。軍配は大谷に挙った。21歳の大谷は5勝3KO。19歳の岩本は6勝4KO1敗。

大谷の話「倒される前に倒したいと思っていた。(年末には入籍予定)減量の面とかいろいろ力になってくれて本当に感謝です。1試合1試合勝って、今回は判定勝ちだったけど面白し試合をして、将来は影響力のあるチャンピオンになりたい」

◇ライト級5回戦
川口高良(協栄)[3-0(48-46、49-45×2)]船橋真道(KWORLD3)
 船橋がよく動いて出入りで勝負し、川口がこれを追いかける展開となった。初回はクリンチが多発。2回、川口が右を打ち下ろすと、船橋がバランスを崩した。手数で船橋が上回るものの、川口の右は3回にも決まった。4回、川口の右カウンターが決まって船橋がダウン。最終回は両者ともに前に出て、もみ合いの多い攻防となった。川口は5勝2KO。船橋は5勝2KO1分。

川口の話「正直、倒して終わりたかったけど、まだまだスタートラインに立ったところかなと思う。世界チャンピオンになれるように努力します」

金太郎は2度ダウンを奪って最後はTKO勝ち

◇S・ライト級4回戦
スコーピオン金太郎(三谷大和)[TKO3回1分0秒]野口海音(ハラダ)
 東MVPの金太郎と西敢闘賞の野口によるサウスポー対決。183センチの野口が鋭い左を打ち下ろし、金太郎も踏み込んで左は迫力十分。互いにKOパンチを披露するスリリングな立ち上がりとなった。

 プレスをかける金太郎は2回、野口の右を外して左を決めると、野口がヒザをつくダウン。金太郎はフィニッシュを狙ったが、野口はカウンターを狙い、金太郎を警戒させてここをしのいだ。しかし3回、金太郎の左が再び火を噴いて野口がダウン。立ち上がった野口にラッシュしたところで主審が試合を止めた。金太郎は7勝5KO1敗。野口は2勝2KO2敗。

金太郎の話「練習したことが出た。自分らしいボクシングができたと思う。あくまでここは通過点だと思っているので、日本タイトル、東洋、世界を目指している。少し休んですぐまた練習したい」

◇ウェルター級4回戦
松野晃汰(神奈川渥美)[中止]松岡陸(浜松堀内)=棄権
※松野が計量に合格、全日本新人王獲得

松野の話「ちゃんとここで勝って新人王になりたかったけど、こういう形で新人王になってうれしい気持ちはあります。今年は濃厚な1年だった(神奈川渥美ジム初の全日本新人王)。目標は世界です。難しいとは思うけど努力して這い上がっていきたい」

時吉(左)はスタートからジャブが冴えた

◇ミドル級4回戦
時吉樹(横浜光)[3-0(39-37×2、40-36)]大島光容(尼崎亀谷)
 時吉はスタートから鋭いジャブを放っていった。大嶋も臆さず前に出て右ボディ、左フックで時吉に迫った。ジャブ、ワンツーで攻める時吉は3回、ピッチを上げて大島と打ち合う。4回は時吉が攻め、大島は疲労から最後はペースダウンした。宮崎・日章学園高で全国大会2位が2度の22歳、時吉は4勝3KO1分。今大会最年長の33歳、大島は5勝2KO3敗1分。

時吉の話「自分がこの試合に向けて練習してきたことがまだまだ出せていない。地元の鹿児島から友だち、家族が来て絶対に勝たないといけないと思った。母子家庭でずっと自分はお母さんに育ててもらったので、ボクシングで稼いでお母さんを楽にさせてあげたい」

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