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“天才”阿部麗也 IBFフェザー級挑戦権獲得 元2階級王者マルティネス翻弄し大差勝ち

2023年4月8日 17時18分

 IBFフェザー級挑戦者決定戦が8日、有明アリーナ「Prime Video Presents Live Boxing」の先陣を切って行われ、同級3位の阿部麗也(KG大和)は同2位のキコ・マルティネス(スペイン)に3-0判定勝ちした。スコアは117-111、119-109×2。

阿部(右)はアウトボクシングが冴えた

 フェザー級で日本とWBOアジアパシフィック王座を獲得した“天才”阿部に大きなチャンスが巡ってきた。相手は元2階級制覇王者で王座返り咲きを目指すベテラン、マルティネス。長身のサウスポー阿部と、背の低いファイター型のマルティネスが互いのスタイルをぶつけ合うことになった。

 マルティネスがプレスをかけ、阿部が距離を取る予想通りの立ち上がり。阿部はマルティネスのパンチを空転させ、右フックを引っかけて右に回る。しかし2回、マルティネスの左アッパーで阿部のヒザが一瞬砕けた。ここで阿部は焦らず立て直し、よく動きながら左アッパー、右フックを合わせていった。

 3回、阿部が左ストレートのタイミングを会わせ、立て続けにクリーンヒットを奪う。マルティネスは鼻柱から出血。余裕の出てきた阿部は4回、左ボディ、右アッパーを決めてペースを引き寄せていった。

 阿部は軽快に動いてマルティネスのパンチをかわしていく。アッパーを交えたコンビネーションもリズムよく繰り出し、マルティネスを突き放しにかかった。マルティネスもあきらめず前に出るが、阿部が6回に左アッパーを突き上げると、スペイン人はグラリ。阿部が畳みかけて優勢を確かなものとする。マルティネスは左目上をカット。苦しくなってきた。

 7回に阿部はヒッティングで右まぶたから出血。終了のゴング後、マルティネスの右ボディストレートを食らってヒヤリとしたが、これは大事にはいたらなった。以降も阿部が前に出るマルティネスをさばき、ロープを背負わず、有効打を重ねる展開が続く。阿部は最後までペースを崩さず、ゴールテープを切った。

 阿部は25勝10KO3敗1分。37歳のマルティネスは44勝31KO12敗2分。14年4月、大阪城ホールで長谷川穂積をTKOで下し、IBF・S・バンタム級王座の防衛に成功して以来の日本リングだった。

 現在のIBF王者はルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)。5月27日、英ベルファストでマイケル・コンラン(アイルランド)と防衛戦を予定している。

阿倍の話「初めてこういう舞台で試合をやらせてもらって無事に勝ててホッとしている。プレッシャーをかけてくるのは想定していたので、その中で自分のパンチをいかに当てて、サイドに動いて相手の距離で戦わないことを考えた。中盤からプレッシャーがきつくなって苦しい場面もあったけどみなさんお応援におかげで勝つことができた。

自分は4回戦からデビューして仕事をしながらやって、気がついたらこの位置まで来た。あす休んで月曜日から仕事が始まるので一般サラリーマンとして日常に戻る。これからこのサラリーマンが世界に向けて出発していきます」

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