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ホープ松本圭佑が佐川遼に判定勝ち 好二トレーナーと親子二代で日本フェザー級王者に

2023年4月18日 21時34分

 2023年チャンピオンカーニバル注目の日本フェザー級王座決定戦が18日、後楽園ホール「ダイヤモンドグローブ」のメインで行われ、同級2位の松本圭佑(大橋)が元王者で同級1位の佐川遼(三迫)に3-0判定勝ちで新チャンピオンに輝いた。スコアは99-91×2、98-92。佐川は王座返り咲きに失敗した。

元王者佐川を制した松本㊧の左ジャブ

 世界ランキングIBF8位、WBC13位の佐川は21年2月、3度目の防衛戦で丸田陽七太(森岡)に敗れて王座を失って以来、2年2カ月ぶりの王座返り咲きを狙う試合。一方の松本は元日本、東洋太平洋王者の松本好二トレーナーの息子として早くから注目を集め、デビューから7連続KO勝ちで初のタイトルマッチを迎えた。

 初回、左の差し合いから松本が右ストレートがヒット。場内がざわついた。松本のジャブが鋭く、動きも滑らかで好スタートを切ったように言えた。ジワジワ前に出る佐川に対し、スピードで上回る松本はリターンが早い。2回にコンビネーションをヒット。佐川の攻撃を脚で外しながらワンツーも決め、試合を支配しにかかった。

 このまま離されたくない佐川は4回、ようやく右ボディアッパーを突き上げ、快調な松本を止めに掛かる。5回、松本の軽快さが鈍り、佐川がボディ攻撃でリズムを作り始めた。5回終了時の公開採点は49-46×3で松本がリードした。

 6回、松本は再びジャブを機能させ、佐川の打ち終わりにパンチを決めるボクシング。しかし佐川も距離を詰めてボディ打ち、顔面への右で食い下がる。7回は松本が右ストレート、左ボディを決め、佐川もボディ攻めで対抗。ポイントは松本が取っている印象だが、佐川も強打で削ってあとに引かない。

 9回、松本はジャブとフットワークのアウトボクシングで佐川を翻弄。右カウンターも決めて突き放しにかかる。倒すしかない佐川は最終回前に出て強打を打ち込んだが、松本がリターンで対応。佐川は最後まで食らいついたが、松本は崩れなかった。

 23歳の松本は8勝7KO。かつて好二さんが持っていた日本フェザー級のベルトを親子二代で巻いた。29歳の佐川は12勝7KO3敗。松本は「練習してきたという自負を持ってやったけど、相手も作戦を練ってきた。無事に勝ててよかった。小さいころから父親を目標にしていて、父は3度日本チャンピオンになっているのでとりあえず並べてよかった。これからもっと練習して世界を狙いたい」と話した。

 5回はスタミナが切れそうになったそうで、「スコア以上に接戦で苦しい試合だった。まだまだスタミナにも課題がある。父や会長、尚弥さんの励ましで立ち直ることができた」と話した松本。父の好二トレーナーは「スタミナが切れかけたのはキャリアの違いと、長いラウンドをやってこなかった重圧があったと思う」と話し、「人生で一番緊張する日になると思った」とホッした表情だった。

 前半を我慢して後半を勝負と考えていた佐川は「前半は想定の範囲内だったけど、後半に(松本が)スタミナが落ちずに動かれた」と残念そうだった。

保坂を倒した石井

◇S・フェザー級8回戦
石井龍誠(金子)[TKO4回1分42秒]保坂剛(三迫)
 日本S・フェザー級6位の保坂が日本フェザー級12位の石井とサウスポー対決。高いガードで圧力をかけていく保坂と、低いガードで脚を使いながら柔らかく動く石井。初回終盤、保坂のアタックを外した石井が左打ち下ろして効かせ、追撃してダウンを奪った。

 2回は左の相打ちから押し合いをへて、石井の左ストレートで保坂がグラリ。ここは保坂が粘ってパワフルな左を叩き込んで踏みとどまる。しかし4回、石井が再び左を決めると保坂はグロッギーになり、石井が追撃して右アッパーで保坂をキャンバスに送る。何とか立ち上がった保坂に、石井が立て続けに左を決めたところでストップとなった。喜び爆発の石井は11勝8KO7敗1分。保坂は7勝5KO2敗。

大差勝ちの宝珠山

◇S・フライ級8回戦
宝珠山晃(三迫)[3-0(79-73×2、78-74)]青山功(セレス)
 日本フライ級9位のサウスポー宝珠山と日本S・フライ級8位の青山の一戦。スタートからサウスポー宝珠山が左を、青山が右を思い切り打ち込んでいった。宝珠山は右フックも使って、青山にロープを背負わせて連打。青山も応じて初回から打撃戦となった。

 2回以降も近距離の攻防が続き、宝珠山が打ち終わりに左をよく決めた。3回は青山が右を決めてチャンスを作ったが、宝珠山が左を決めて盛り返す。接近戦では青山のパンチも決まるが、上下に打ち分ける宝珠山がヒット数で上回る。それでも青山も粘り、6回には右を決めて宝珠山にダメージを与えた。

 終盤も打撃戦が続き、宝珠山が前に出てヒットを重ねた。青山も右、左ボディを打ち込んだが、いかんせん被弾が多い。宝珠山は試合終了間際に青山をダウン寸前に追い込んだ。打ち勝った宝珠山は9勝4KO。青山は13勝4KO11敗1分。宝珠山は「内容はよくなかった。倒せなかったし、効かされたし。でも勝てて良かった。戦績に実力が追いついてないので、もっともっと上を見てやっていきたい」と話した。

元王者プンルアンを倒した鈴木雅

◇ライト級8回戦
鈴木雅弘(角海老宝石)[KO2回1分45秒]パンヤ・ウトック(タイ)
 元日本S・ライト級王者の鈴木が拳を交えるパンヤは元WBOバンタム級王者のプンルアン・ソーシンユー。前日計量では200グラム超過だった。体格で上回る鈴木が初回、ジャブから上下に多彩なパンチを打ち込んでいった。パンヤはガードを固めながら右を狙う。2回、鈴木の左ボディがカウンターで炸裂。パンヤがもんどりうって倒れてフィニッシュとなった。鈴木は9勝6KO1敗。33歳のパンヤは55勝37KO12敗。

磯谷㊧を下した伊藤

◇S・ウェルター級6回戦
伊賀大賀(角海老宝石)[2-0(59-57、58-57、57-57)]磯谷大心(輪島功一S)
 元世界王者の輪島功一さんの孫、磯谷は昨年11月の東日本新人王ウェルター級決勝で敗れて以来のリング。1、2回はアクションが少なく、伊藤の決めたワンツーが印象に残った。伊藤のガードが崩せない磯谷は3回に左フックを決め、接近戦でパンチをまとめてピッチを上げる。4回、接近戦で磯谷の右ショートが決まり、伊藤の動きが一瞬止まるが、その後はワンツー、左ボディで攻め返して譲らなかった。終盤は磯谷が前に出るものの効果的なパンチは打てず、伊藤がボディ打ち、最終回に右を決めて勝利した。伊藤は6勝1KO3敗1分。連敗の磯谷は4勝4KO2敗。

小西㊧-川口戦

◇ライト級6回戦
川口高良(協栄)[引き分け1-0(58-56、56-58、57-57)]小西佑亮(ワールドS)
 身長で上回る小西がアウトボクシングを展開。ジャブ、右ストレート、左ボディを打ち込み、距離が詰まるとクリンチで対応した。川口のプレスが3回から効いてきて流れを引き寄せにかかるが、小西がよく手を出して対抗する。5、6回は川口が前に出て左右のボディ、左フックを打ち込んで攻勢に出たが、小西がボディ打ちを決めて踏みとどまった。川口は5勝2KO1分。小西は4勝4KO6敗2分。

◇S・バンタム級4回戦(東日本新人王戦)
池﨑創哉(三迫)[TKO4回1分2秒]内藤大起(川崎新田)
観衆=1507人

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