現地時間23日、ドイツのオーバーハウゼンにあるヴィリー・ユーリッセン・ハレにてWBC世界スーパーウェルター級挑戦者決定戦が行われ、WBC1位のバカリ・サマケ(フランス/152.5ポンド)とWBC3位、エルマル・ハドリビア(アルバニア=米/152.8ポンド)が対戦し、12回判定でハドリビアが勝利した。スコアは115-113、115-113、116-112の3-0。
当初、この一戦は4月25日にフランスで開催予定だったが、メインイベントのローレンス・オコリー(英国)対トニー・ヨカ(フランス)戦がオコリーのドーピング検査陽性により興行ごと中止に。その後入札となり、アフメット・ウナ・プロモーター率いるアレーナ・ボックス・プロモーションが33万9817ドル(約5403万円)で落札したもの。(なおヘビー級戦のほうはオコリーが依然として潔白を主張しているものの状況に変化はなく、ヨカは7月11日にロシアでWBAレギュラー王者、ムラト・ガシエフ(ロシア)との世界戦が決まったことが地元メディアで報じられている)。
さてこの日のセミファイナルに据えられたサマケ-ハドリビア戦。互いに低いガードで、サウスポーのハドリビアがタイミングのいい左を見せるのに対し、サマケも踏み込んで右を振るっていく。ボディーにパンチを集めるサマケに対し、ハドリアビアもカウンターを狙いながらタイミングを測る主導権争いの序盤は、4ラウンド終了時の途中採点で2対0(38-38、39-37が2人)でハドリビアの優勢だった。
5ラウンド、サマケが攻勢を強めるとハドリビアはガス欠の兆候か、クリンチワークに忙しくなり、6ラウンドには右まぶたから出血が始まった。7ラウンドもサマケがキレのある左右フックを振りながら前進し、手数で押していく。しかし8ラウンド終了時の途中採点もサマケに不運な2対0(76-76、77-75が2人でハドリビア)だった。
10ラウンドは疲労を表に出したサマケにハドリビアのジャブ、右フックがヒット。11ラウンドもハドリビアが有効打で勝ったように見えたが、最終回はサマケが左右フックを軸に手数で挽回しゴングを聞いている。
チャンピオン、セバスチャン・フンドラ(米国)への挑戦権を手にした32歳のハドリビアは23勝8KO1分1無判定。近年はドイツをホームとしている。やや不運な判定と映った初黒星の22歳、サマケは19勝11KO1敗。
■メインのL・ヘビー級戦はイラクのハッソが初回KO勝ち
この日のメインイベントはWBCインターナショナル・ライトヘビー級王座決定戦。WBC37位のバディエン・ハッソ(イラク/174.8ポンド)がビセンテ・ラモス(メキシコ/174.8ポンド)に1ラウンド3分ジャストのKO勝ち。ハッソが新王者となった。
イラク出身、ドイツをホームとするハッソは熱烈なファンの支持を集める人気選手で、これまで多くの会場を満員御礼としている。その大歓声を背にハッソが開始から積極的に手を出すが、両選手とも脇腹に脂肪があり鈍重な攻防。早くも自分のペースに持ち込んだハッソが初回終了間際、ラモスをコーナーに詰めて連打を浴びせると、最後は左ボディーでラモスが自ら座り込み、そのまま10カウントを聞いた。ドイツをホームとする31歳のハッソは23戦全勝12KO。初の海外遠征となった19歳のラモスは11勝全KO1敗。
アンダーカードでは東京五輪で一躍名を知らしめたムラド・アリエフ(フランス/260.4ポンド)がヘビー級8回戦に出場。フレイザー・クラーク(英国)との五輪スーパーヘビー級準々決勝戦ではレフェリーから意図的なバッティングがあったと裁定され2ラウンド失格負けとなったものの判定を不服とし、リング上で約1時間座り込み抗議したあのアリエフだ。
ロシア出身、フランス育ちのアリエフは現在、ドイツをホームとしておりWBCヘビー級24位につけている。この日は空位のWBCインターナショナル・ヘビー級シルバー王座決定戦として、ラファエル・アクペジョリ(ナイジェリア/273.4ポンド)と対戦し、8回判定で勝利し、新王者となった(3対0/79-72、79-71、79-73)。
元IBFライトヘビー級王者のグレンコフ・ジョンソン(米国)がトレーナーに就くアクペジョリは上背で約10センチ上回り、サウスポーのアリエフに対し、じりじりとプレスをかける。初回、いきなりの右を当てたアクペジョリが前進を重ねるとアリエフは退がる場面が多く、徐々にスタミナを減らしていった。その後は決定的な場面をつくれず、アクペジョリもすぐにガス欠となり中盤に入る頃には互いにスリップやバランスを崩す場面が増えた。7ラウンドにはレフェリーから両者に注意が入るほどグダグダの展開となり、最終回、クリンチや体を預ける場面はアリエフが多いように見える中でなぜかアクペジョリにホールディングの減点1が科された。30歳のアリエフは15勝11KO1敗とし、35歳のアクペジョリは19勝18KO3敗。


