11日(日本時間12日)、ロシア・モスクワのVTBアレーナで『IBA PRO 19』が開催。WBA世界ヘビー級タイトルマッチではチャンピオンのムラト・ガシエフ(ロシア/229.8ポンド)がピーター・カディル(ドイツ/257.3ポンド)に6ラウンド1分ジャストでTKO勝利を収め、王座を防衛した。

当初はWBA14位のトニー・ヨカ(フランス)が挑戦者としてアナウンスされていたものの、約2週間前にヨカが背中を負傷したため離脱。王者陣営はノーランカーながらWBC29位のカディルを新挑戦者として申請し、WBAが認定した。
ガシエフはガードの上からコツコツとパンチを当てながら、隙を見てボディーや左右フックをガードの外側から首元めがけてねじ込んでいく。カディルも2分過ぎに小さな右アッパーを入れるが、ポイントは手数でガシエフという初回だった。
2ラウンドに入りカディルは手数を増やして前に出ようとした。しかしガシエフの攻勢に阻まれ、左ボディーフックを浴びてロープ際に後退。早くもペースは王者が握った。3ラウンドも序盤はカディルがいい動きを見せるが、徐々にガシエフの攻勢の前に退がる場面が増え、途中スイッチも混ぜるものの流れを変えることができない。
パンチの強弱を付けながらカディルのスタミナを削るガシエフは6ラウンド50秒過ぎ、カディルをコーナー前に詰めてコンビネーションをヒット。するとカディルの背後からセコンドがエプロンに上がってタオルを振りかざし、棄権の意思表示をしてTKOとなった。
昨年12月、クブラット・プレフ(ブルガリア)を6回KOに下して獲得した王座の初防衛に成功した32歳のガシエフは34勝27KO2敗1ノーコンテスト。29歳のカディルは23勝13KO2敗。
■元王者ジョイスTKO負け
WBAインターナショナル・ヘビー級ゴールド王座決定戦。WBAヘビー級10位のアルテム・ススレンコフ(ロシア/237.1ポンド)が元WBOヘビー級暫定王者のジョー・ジョイス(英国/289.1ポンド)に11ラウンドTKO勝ちした。
上背で勝るジョイスは持ち味のジャブを軸に右を打ち下ろすなど、まずまずの初回だった。頑強な上半身のススレンコフはガードを高く上げ、じりじり距離を詰めてから左フックを狙っていく。
ややジョイス優勢の4ラウンド、ススレンコフの右フックがアゴに入り、カクンと腰を落とすジョイス。5ラウンドも、コツコツと手数でジョイス優勢のなか右ストレートでススレンコフがジョイスの顔を弾く。6ラウンドは手数でジョイスが取り返す。中盤はジョイスが下がりながらコツコツと手数を出し、ススレンコフは細かいパンチを食いながら懸命に前進を続ける消耗戦となった。
その後は揉み合いこそ増えるものの一進一退の根競べといった展開。迎えた11ラウンド、ジョイスが左右フックをモロに食い始める。クリンチで追撃を阻んだ直後、ジョイスが下がりながら突然右手を振り棄権の意思表示を見せ、TKOとなった。
30歳のススレンコフは15勝10KO。40歳のジョイスは16勝15KO5敗としデレック・チゾラ(英国)戦、フィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)戦に続き3連敗。
■ガジマゴメドフはWBAブリッジャー級廃止に伴いクルーザー級へ
WBAライトヘビー級挑戦者決定戦はWBA3位のシャラブディン・アタエフ(ロシア/175ポンド)がWBA10位の元IBFスーパーミドル級王者、ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ/175ポンド)に12回判定勝利。アタエフが指名挑戦権を手にした。スコアは119-109が2者に118-110の3-0。IBF5位でもある27歳のアタエフは10勝5KO。試合をしていないにもかかわらず突如2月度ランキングでWBA10位に入っていた35歳ウスカテギは34勝29KO6敗。
ヘビー級10回戦。前WBAブリッジャー級王者のムスリム・ガジマゴメドフ(ロシア/205ポンド)がケビン・マルティネス(メキシコ/203.7ポンド)に8ラウンド終了棄権TKO勝利。WBAが6月末にブリッジャー級を廃止したため無冠となり、WBAクルーザー級5位となった29歳のガジマゴメドフは7勝4KO、今後はクルーザー級での世界王座獲得を目指すとしている。26歳のマルティネスは14勝10KO2敗。
クルーザー級10回戦。WBAクルーザー級9位のアレクセイ・エゴロフ(ロシア/199.6ポンド)はダヴィード・ズカエフ(ロシア/199.2ポンド)に10回2-1判定負け(96-94、95-94、94-95)。27歳のズカエフは12勝7KO、35歳のエゴロフは13勝9KO4敗。
ヘビー級10回戦。元WBAインターナショナル・ヘビー級王者のアルスラン・ヤリィエフ(ロシア/237.7ポンド)がムラド・カリドフ(ロシア/249.8ポンド)に3ラウンドKO勝ち。29歳のヤリィエフは18勝12KO1敗、38歳のカリドフは12勝6KO1敗。
スーパーウェルター級8回戦。WBAスーパーウェルター級1位のパベル・ソスリン(ロシア/156.4ポンド)が元WBCラテン・ウェルター級王者のエディ・コルメナレス(ベネズエラ/155.5ポンド)に8回3-0判定勝利(79-73×2、78-74)。IBFでは14位の29歳、ソスリンは14勝7KO。29歳のコルメナレスは12勝12KO4敗1分。
25年ドバイ世界選手権バンタム級銀メダリストのビャチェスラフ・ロゴージン(ロシア/118.6ポンド)がバンタム級6回戦でプロデビュー戦を行い、フィリピン・バンタム級4位のRV・ダニェガ(フィリピン/118.8ポンド)に6回判定勝利(3対0)。20歳のロゴージンはデビュー戦白星を飾り、26歳のダニェガは12勝8KO4敗。


