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「今回勝ったのは本当に大きかった」井岡一翔語る

2023年8月17日 9時10分

 ジョシュア・フランコ(アメリカ)との半年ぶりの直接再戦を制し、WBA世界スーパーフライ級王座を獲得した井岡一翔(志成)。リング外の騒ぎで肝心の試合への興味がそがれてしまったのは返す返す残念だが、あの日の井岡のパフォーマンスにはリマッチの醍醐味が凝縮されていた。井岡の長いキャリアでも、特筆すべき戦いであったのは間違いない。《ボクシング・ビート9月号より》

 フランコとのダイレクトリマッチで文句なしの勝利を収め再び世界チャンピオンとなった井岡。結果は万々歳でも、この試合は本番直前に水を差す騒ぎが“ワンツー”立て続けに起きてファンを大いに困惑させた。

 一つは、初戦のドーピング検査の結果が再戦の3日前にJBC(日本ボクシングコミッション)から公表された件。ドーピング違反になるほどではないものの大麻成分検出の事実は重いとして、JBCルール第97条(ドーピングの防止)違反以外の各種規定違反を理由とする処分の可能性を検討するというものだった。

 井岡は身に覚えがないと主張し、明確なアンチドーピング規定が整備されていない上に再戦直前になって公表したJBCに対して不信感も示した。すでに再戦後の井岡のドーピング検査が陰性だったことは報告されており、今回の検査結果も踏まえてJBCの倫理委員会で協議されるが、どういう決着となってもしこりを残しそうだ。

 そこにきてフランコの計量失格である。国内世界戦で例のない超過重量(2.9キロ)で、通常ならありえないハンデだ。「3キロとは訳がわからなかった」とさすがにあきれた井岡だが試合の開催に固執した。その際「タイトルマッチとしての形だけは認めてほしい」と、これが井岡本人が出した唯一絶対の条件だった。

 試合は強行され、敗れたフランコは「井岡は精神的に自分よりもタフだと思った」と率直な感想を述べた。無視しようとしても無視できないような問題にもかかわらず、その影響をリングに持ち込まない井岡の戦いぶりを言い表しているとも思う。

 このフランコのコメントをどう思うかと井岡に尋ねると、「僕もその時々で(精神面の揺れが)あるんですけどね、でも精神がベースになければやってこれていないし、これから先もやっていけませんから。極論、いざという状況に置かれたとき人は二択じゃないですか。やるか、やらないか」

 井岡の“ベース”にあったのは、自分はこの日WBAでチャンピオンに復帰するためだけにやってきたのだという思いだろう。そしてその裏付けとなるのが「勝つための準備」だ。
                     *
――フランコの前進をいなした初戦とは異なる、初回からの積極的なカウンター戦法が大きな勝因になりました。あの作戦を選択した経緯を教えてください。
 「うーん、これは結構過程があります。まず大きなテーマとして、彼の前進を止めないといけない、これが一つ。彼を前に出すとリズムに乗るし止まらない、彼の得意分野だからです。ではそれをどう止めるかが大事になりますね。打ち合うのか、体を密着させるのか、スパーリングでいろんなことを試しました。それで、いくつかやっていく中で……」


――フランコの1発目のパンチに合わせていくことにしたわけですね。
 「フランコはコンビネーションが得意ですけど、前回はたとえばその3発目、4発目にカウンターを合わせようとしすぎました。それは見栄えがよくないし、その時すでに相手は乗り切っているんでね。こちらの体勢が逃げ腰みたくなりますし、結局ガードをせなあかんようになるでしょう。そのうちに逃げ場も失ってきます。それでは1、2(発目)で止めるのにどうすればいいか。やはりそのタイミングでカウンターを合わせることだと考えました」..

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