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父子で日本フェザー級王座獲得 松本圭佑のこれまで、そしてこれから 

2023年8月14日 16時12分

 松本圭佑が父親の職場である大橋ジムに通いだしたのは小学3年の夏。以来ここで数々のボクサーを目の当たりにして育った。川嶋、八重樫そして井上兄弟、あるいはチャンピオンの夢果たせなかった先輩たちの姿も。たゆまぬ努力を積み重ね、今年4月に父好二トレーナーがかつて持っていた日本タイトルを獲得。今後、目標の世界チャンピオンに輝くことが同時に父を超えることでもある。男としてそんな最高の瞬間はあるまい。《ボクシング・ビート9月号より/文:船橋真二郎》

 プロ8戦目。初のタイトル奪取からほどなく、練習を再開した。復帰したジムにはスティーブン・フルトン(米)との大一番に向け、ひたむきに練習に打ち込んでいる井上尚弥の姿があった。ピリッとした緊張感に身が引き締まった。

 「チャンピオンになったという実感はあまりないです。このジムには、さらに上の上がいて、そこが僕の目指すところですからね」

 井上の動きに目をこらす。今日は何をテーマに取り組んでいるのか。何を意識しているのか。最近は井上の内面に注意を向けるようになったという。スパーリングとなると「奥が深くて、頭がパンクしそうになる」と苦笑する。これが松本圭佑の日常の一風景だ。

 大歓声、拍手、地響きのような足踏みの音。熱狂の渦に包まれた後楽園ホールに心を動かされたのは小学6年生の秋だった。壮絶な打撃戦を制し、八重樫東がWBA世界ミニマム級王者となった一戦である。「あれが忘れられなくて。ずっと記憶に残っています」。

 圭佑が中学1年生になり、ジムに加わったのが井上だった。中学3年生になった2014年には、9月に八重樫がローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と記憶に残る激闘を繰り広げ、12月には2階級上げた井上が鉄壁を誇った老練オマール・ナルバエス(亜)を2回で粉砕し、衝撃を与えた。

 「僕の思春期に、あのお二方が最前線にいて、その背中をずっと見ていたので。強烈ですよね」

 プロの世界チャンピオン――。夢は芽生え、さらに大きく大きく育まれていくことになる。

プロの世界王者への憧れ強く
 ボクシングを始めたのは15年前。小学3年生の夏休みだった。圭佑はこの年、初めて運動会のリレーのメンバーから落選した。

 「夏休みの間だけ、ボクシングを頑張ってみないか」と誘ったのは元東洋太平洋・日本フェザー級王者で、世界に3度挑戦した父・松本好二トレーナーだった。..

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