現地時間2日、米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナにてクルーザー級二冠統一戦が行われた。WBAスーパー&WBOチャンピオン、ヒルベルト・ラミレス(メキシコ/200ポンド)がWBAレギュラー&WBCライトヘビー級チャンピオン、デビッド・ベナビデス(米国/196.8ポンド)に6ラウンド2分59秒KO負けを喫し、王座が交代した。

ラミレスを傷めつけたベナビデス photo/Cris Esqueda(GBP)
今回は『Cinco de Mayo』を盛り上げるイベントとあってメキシカン、メキシコ系アメリカ人が数多く出場した。その中でチャンピオンながらラミレスがBサイド、予想オッズでも不利というマッチアップは、1階級約7㎏の差をベナビデスがどう埋めるかに注目が集まっていた。
サウスポーの王者がポンポンとジャブを突くとさっそくベナビデスも右ストレートで対抗する。2ラウンドもプレスを強める王者に対し、ベナビデスは退がりながらもスイッチを混ぜて冷静に対応し、序盤を優勢に進めた。
4ラウンド、ベナビデスの右を食ったラミレスはロープに詰まり、連打を浴びると膝をついてダウン。再開に応じたところでゴングが鳴ったが、鼻血で顔を赤く染めた。ドクターチェック後に5ラウンドに入り、ハンドスピードをアピールするベナビデスは速射砲のような連打を見せ会場を沸かせる。ここはラミレスも懸命に手を出す。
迎えた6ラウンド、ラミレスの反撃を巧みなディフェンスで外したベナビデスはロープを背にしながらコンビネーションをヒット。左右フックを食ったラミレスは後退し、自ら座り込みダウン。トーマス・テイラー(米国)レフェリーの10カウントを聞いた。WBCスーパーミドル級王座から数えて重量級で3階級制覇を達成した29歳のベナビデスは32戦全勝27KO。元WBOスーパーミドル級王者でもある34歳のラミレスは48勝30KO2敗とし、WBA3度目、WBO2度目の防衛に失敗。
■ムンギアはS・ミドル級で王者復帰
セミファイナルのWBA世界スーパーミドル級タイトルマッチはチャンピンのホセ・アルマンド・レセンディス(メキシコ/167ポンド)が同級3位で元WBOスーパーウェルター級王者のハイメ・ムンギア(メキシコ/167.4ポンド)に12回3-0判定負け。こちらも王座が交代した。スコアは120-108、117-111、119-109。
昨年5月にカレブ・プラント(米国)を12回判定に下し(2対1)、暫定王座を獲得したレセンディス。テレンス・クロフォード(米国)の引退に伴い、エレベーター式に昇格したものの強敵との対戦経験はほぼ無しとあって、約1年ぶりの初防衛戦が真価を問われる一戦となった。
エディ・レイノソ・トレーナーの同門、サウル・アルバレス(メキシコ)がリングサイドで声援を送るムンギアは、キャリアで勝り体格で劣るものの左ボディーを混ぜてコンビネーションを繰り出す好スタートをきった。レセンディスはじりじりとプレスを掛けながらムンギアを削りにいくものの、コンビネーションとフットワークを軸にムンギアが試合を優勢に進めた。
7ラウンドも王者がムンギアをコーナーに詰めるが、ムンギアはフェイントを混ぜながら巧みにフットワークを駆使し、コーナーを逃れ、体を入れ替えるとコンビネーションをヒット。疲労からか徐々に被弾を増やすレセンディスは前に出るものの効果的な攻めを見せることができない。ムンギアがペースを渡すことなく迎えた最終回は左アッパーでレセンディスがバランスを崩し、ワンサイドゲームを終えた。29歳のムンギアは46勝35KO2敗とし2階級制覇を達成。27歳のレセンディスは16勝11KO3敗。
■世界3位ドゥアルテ判定勝ち
WBCシルバー王座とWBO北米王座の二冠スーパーライト級王座決定戦。IBFで3位のオスカル・ドゥアルテ(メキシコ/139.8ポンド)が元WBO北米ライト級王者のアンヘル・フィエロ(メキシコ/143.4ポンド)に12回判定勝利を収めた。(2対1/115-113、116-112、112-116)。
フィエロは前日の計量で3.4ポンド(約1.5㎏)超過したペナルティとして自身のファイトマネーから4万ドル(約628万円)をドゥアルテ側へ支払うことで、両者対戦に合意したことが報じられている。
パワーで勝るドゥアルテがゆっくりと距離を詰めていき、ボディーへパンチを集めて徐々に流れを引き寄せた。4ラウンド終了のゴングとほぼ同時にドゥアルテが右フックを好打し、マーク・ネルソン(米国)レフェリーがゴングに割って入ると同時にフィエロは尻もちをつく。足につまづいたレフェリーも転倒したが、ゴング後のパンチとしてノー・ノックダウンと裁定。
このままドゥアルテが一気に決めるかと思われたもののフィエロも反撃。6ラウンドには右フックをテンプルに打ち込むとドゥアルテの膝が揺れ、左耳から出血する。7ラウンドは一進一退の打ち合いとなり会場が盛り上がるなか、8ラウンド開始直後、ドゥアルテの左耳の出血にドクターチェックが入る。終盤は前に出るドゥアルテがパワーパンチを振るい、フェイロが距離を外しながらコンパクトなパンチを入れる展開でゴング。
薄氷の勝利で世界ランクを守ったWBA4位の30歳、ドゥアルテは31勝23KO2敗1分。27歳のフィエロは23勝18KO5敗2分。ここ5試合で1勝4敗となった。
WBA米大陸スーパーウェルター級チャンピオンでWBA4位のイサック・ルセロ(メキシコ/155.6ポンド)がイスマエル・フローレス(アルゼンチン/155.2ポンド)と対戦、空位のWBO北米王座も懸けられた一戦で10回判定負けを喫した。スコアは99-91に98-92が2者。フローレスはアメリカ・デビュー戦で金星を挙げた。
5連続KO勝利中の勢いを駈ってフローレスが開始から攻め込み、右ストレートで顔をはじくなど好スタート。2ラウンドもハッキリとフローレスの有効打が勝りルセロは早くも右眉から出血する。3ラウンド、力で盛り返そうとルセロは真正面から攻めかかるも、フローレスは冷静に対応し、上半身を振りながら巧みにパンチを外してカウンターを当てていく。
中盤、コンパクトなコンビネーションでリードを広げるフローレスに対し、ルセロは力感こそあるもののいずれも単発でほぼ空転。被弾を増やして顔も腫れた。ルセロは逆転を狙い最終回も前進、手数をまとめるが、展開は変わらず。最後はフローレスがパンチを集めKO決着も感じさせた。スペインをホームとする27歳のフローレスは18勝12KO1敗1分。一方、IBFでも14位の27歳、ルセロは18勝14KO1敗。
WBAコンチネンタル・スーパーバンタム級王座決定戦。WBC29位のホルヘ・チャベス(メキシコ/122ポンド)がホセ・ティト・サンチェス(米国/121.2ポンド)に10ラウンド2分30秒TKO負け。サンチェスが新王者となった。26歳のサンチェスは16戦全勝10KO。同じ26歳のチャベスは15勝8KO1敗1分。
リオ五輪ライトヘビー級ベスト16のファン・カリージョ(コロンビア/177.4ポンド)はマルロン・デルガド(エクアドル/177.6ポンド)とのライトヘビー級8回戦で4ラウンド2分59秒KO勝利。最後は右ボディーで10カウントを聞かせた33歳のカリージョは15戦全勝11KO。井岡弘樹ジム所属として日本で数試合戦ったパブロの4歳下の弟だ。敗れた32歳のデルガドは8勝6KO1敗とアメリカ・デビュー戦で初黒星。


