名古屋市のど真ん中でテントを組んでのボクシング・マッチ――これは19日夕にエディオン久屋広場特設会場で開催の「PHILIPPINE EXPO 2026 in Nagoya」と題されたお祭りの一環として行われたボクシング・イベント。フィリピンの懐かしい名前が次々とリングに上がった。

メインのアポリナル-石井戦
日本とフィリピンの国交正常化70周年を記念したお祭りの中で行われた興行。日本在住のフィリピン選手が出場した4回戦のあと、用意された8回戦3組の赤コーナーはすべてフィリピンから。フィリピン人の観客も多く、同胞の活躍に大きな声援を送り、まるで日本選手がアウェイで戦っているかのようだった。
8回戦の最初はS・フライ級戦。フィリピン在住の日本人サウスポー、成上聖斗(フィリピン)が前川龍斗(一力)を圧倒し、初回に左ストレートでダウンを奪った後も一方的に試合を進めた。4回に前川側からタオルが投入されたため、この回2分45秒成上のTKO勝ちとなった。

有終の美を飾った成上
成上(23歳)は大阪出身だが、小学生で井岡ジムに入門した際、ミットを持ってくれたのが井岡一翔のスパーリング・パートナーとして来日していた後の世界王者マーロン・タパレスだった。これを縁にフィリピンに渡り、LAジムで戦ってきた。
プロ9戦目のこの日の試合を最終戦と決めてリングに上がり「勝って終われてよかった。悔いはありません」。まだ老け込む年齢でもないのになぜ引退するのか。「1月に娘が生まれ、フィリピンでは食えないので……」帰国して日本で仕事をして、ボクシングに携わればと期待している。9戦6勝3KO2敗1分。
セミの56.5kg級契約の8回戦は、アレックス・サンティシマ・ジュニア(フィリピン)とリチャード・プミクビック(フュチュール)の同胞対決。サンティシマ(村田昴にKO負け)が初回にプミクビックを倒し初回43秒KO勝ちとなった。10年以上前には岩佐亮佑に惜敗し、天笠尚に判定勝ちしたこともあるプミクビックも36歳のいまはかつての面影もない。
メインのS・フェザー級8回戦に登場したペテ・アポリナル(フィリピン)も過去に何度も日本のリングに上がった選手。武居由樹には倒されたが、堤駿斗や藤田健児には最後まで戦っている(判定負け)。この日は石井龍誠(金子)相手にスタートからプレスをかけて右フックを強打。3回にサウスポーにシフトして連打し、左を決めてダウンを奪うと、レフェリーストップがかかった。タイムは2分29秒。アポリナル(31歳)は20勝9KO7敗1分、敗れた石井(30歳)は12勝9KO10敗1分。


