元女子世界王者の天海ツナミ（山木）が21日、後楽園ホール「オーバーヒートボクサーズナイト105」のメインイベントに登場。51.0キロ8回戦で、サオワラック・ナリーペンシー（タイ）に3回40秒TKO勝ち。38歳にして健在ぷりをアピールした。

◇女子51.0キロ8回戦
天海ツナミ（山木）［TKO3回40秒］サオワラック・ナリーペンシー（タイ）
　元WBA･S･フライ級、元WBO･L･フライ級王者の天海がキャリア豊富なタイS･フライ級王者サオワラックを迎えた。スタートから天海は動きが軽快、左右のフックを振ってくるサオワラックのパンチを外し、ジャブ、右ストレート、左フックを打ち込んでいく。

　2回、天海はKOを狙ってスピードに乗って攻め、左ボディから顔面への連打につなげてサオワラックをキャンバスへ。さらに左フックで2度目を追加した。3回に左ボディで3つめを奪うと、最後は怒濤のラッシュで4度目を奪い、試合を終わらせた。

　天海は20勝13KO10敗1分。昨年12月、WBA女子L･フライ級挑戦者決定戦で成田佑美（姫路木下）に勝利して以来のリングだった。サオワラックは16勝7KO23敗。

　見てしまうという悪いくせを克服するために初回から攻撃的にいったという天海。山木会長によると、挑戦者決定戦に勝ったというのに世界挑戦できる見通しは今のところ立っていないというが、天海はチャンスがあるまで気を緩めずに精進していく決意だ。

◇62.0キロ6回戦
阪本大樹（T&T）［3-0（57-55、57-54、56-55）］福森翔太（フラッシュ赤羽）
　昨年12月にドローに終わった福森と阪本のダイレクトリマッチ。身長で上回るサウスポー福森が左を狙い、阪本が飛び込んで右を狙う。3回、阪本がクリンチ際で福森のスキを突き、左右のフックを決めてダウンを奪った。このとき阪本がダウン後にパンチを打って減点1。立ち上がった福森は攻めてこのピンチをしのいだ。

　福森は4回、左アッパーを何度も打ち込んで形勢逆転を狙った。しかし阪本もラウンド終盤に右を決めて反撃した。5回、福森が左、阪本が右を決め、両者の体が交錯して福森が倒れるとダウンの裁定。ここから福森は攻勢に転じたが、阪本のパンチでカットした。最終回は打ち合い、福森がやや押し気味。阪本がダウンの分で勝利した。戦績は5勝2KO2分。大阪商業大出身で21年B級デビューの福森は初勝利ならず。2敗1分・

◇55.1キロ6回戦
印波優心（レイS）［2-1（59-55、58-56、56-58）］大場竜（ジャパンS）
　初回から互いによく手を出しアクションの多い立ち上がりとなった。大場が右を打ち下ろし、印波は左フックを上下に打ち分け、回転力のあるところを見せる。3回、打ち合いの中で大場の左フックが決まり、印波の動きが一瞬止まる。しかし印波は立て直すと再び手数をよく出した。

　後半は印波がフットワークを使って打っては離れ、大場が追いかける展開。印波が最後までよく動き、大場にクリーンヒットを許さず逃げ切った。印波は6勝2KO2敗1分。7試合ぶりの勝利を目指した大場は最後まで前に出たが無念。5勝3KO9敗2分。

◇バンタム級6回戦
渋谷亮太（T&T）［3-0（59-53×3）］三浦成道（東拳）
　三浦が2回、距離を詰めてジャブ、ワンツーで渋谷に迫った。左ボディ打ちで対抗した渋谷はラウンド終了間際、三浦のジャブに右をカウンターで合わせてダウンを奪った。渋谷は3回もよく手を出す三浦の打ち終わりにリターンしてクリーンヒットを奪い、今度は終了間際に左フックで三浦にヒザをつかせた。

　三浦は4回、連打で見せ場を作って盛り返すが、5回は渋谷がボディ攻撃から上につなげて三浦にダメージを与える。しかし三浦も踏ん張って最終回は激しい打ち合いに。終了間際に渋谷が三浦をグラつかせてゴングとなった。渋谷は6勝1KO1敗2分。三浦は4勝3KO5敗。

◇L･フライ級4回戦
石崎聖也（レイS）［TKO3回2分47秒］岡田駿也（西遠）

◇71.5キロ4回戦
寺澤優（竹原&畑山）［3-0（39-37、40-36×2）］嶋田朝陽（五代）

◇62.0キロ4回戦
鰆目千歳（フラッシュ赤羽）［引き分け1-0（39-37、38-38×2）］大橋侑太（Boy’s水戸）

◇女子48.7キロ4回戦
齋藤くるみ（厚木ワタナベ）［3-0（39-37×3）］小此木鈴奈（五代）

◇ライト級4回戦
上原柊人（ワールドS）［3-0（39-37×2、40-36）］山本弘毅（レイS）

◇ミニマム級4回戦
清子場哲生（T&T）［3-0（38-37×3）］木下雄太（石神井S）
観衆＝1100人