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阿部麗也が再起 新鋭川本に判定勝ち

2024年10月19日 1時19分

 18日、東京・後楽園ホールの58.0kg契約10回戦で、今年3月にIBFフェザー級王座に挑戦し8回TKO負けを喫した現WBC8位、IBF14位の阿部麗也(KG大和)が復帰戦を行い、川本響生(かわもと・ひびき、吉祥寺鉄拳8)に96—94、97—93、98—92の3—0判定勝利。世界に向けて再スタートを切った。

川本に奮闘を許した阿部㊧

 川本はこれがA級戦(8回戦以上)2試合目で、6回までしか経験がない。スピードと勢いにまかせた攻防を折々で披露する川本に、阿部が苦しんだのは事実だった。それでも阿部は2回にはタイミングを読み始め、4回には距離を詰めて強烈なアッパー連打を見舞って川本に鼻血を流させた。出血は回を追うごとに激しくなり、阿部がギアを上げればストップも……という雰囲気もあった。

 が、阿部は上体を上下させ、それとずらした左ストレートの上下打ちという得意の攻撃を決めていったものの、アッパーには反応が悪い川本に対し、接近戦してのアッパー攻撃を手控えた。その距離に入ると川本が叩く左ボディーブローも功を奏したのだろう。

 阿部は中間距離にとどまっての攻略にこだわった。それでも、これまでのようにフットワークを使った長距離の戦いを封印。危険地帯での攻防に徹したのはこの先を見据えてのことなのだろう。26勝(10KO)4敗1分。

 鼻血に苦しみ、未知のラウンドに踏み込んだ川本だったが、気力もパフォーマンスも最後まで萎えなかった。瞬間的な動きでは阿部を優ったシーンもあった。阿部が披露したような、勝利への道程や駆け引きを覚えれば、ランカーどころか実に楽しみな存在になるだろう。7勝(3KO)2敗1分。

 セミファイナルで行われたフェザー級8回戦は、横浜光ジムが期待する若手の1人、眞下公翔(ましも・かける、横浜光)が、チャン・ファン(中国)に77—75、77—75、79—73の3—0判定勝利を収めた。

 リング上でのインタビューで、開口一番「正直、負けたかなと思った」とガックリした眞下。しかし、俊敏で柔軟なチャンのカウンター攻撃に、心も体のバランスも乱さずに戦い抜いたのは立派だった。

 チャンのステップイン、ステップアウトは実に素早かった。サウスポー眞下の左ストレートには必ず右カウンターを狙い、的中率もかなり高かった。眞下は返しの右フックを狙ったが、打ったら動くチャンをなかなか捕らえられない。

 それでも下半身をしっかりと固め、左ストレートのボディーブローや、ストレート連打でチャンを徐々に捉えていき、中盤以降に疲労を深めたチャンを押した。

 チャンは立ち上がりからシューズが滑り、4回開始前にシューズの底にテープを巻いてスリップ対策をしたが、結局その効果は薄かった。大きく見栄えのする動きのせいもあるが、足を滑らせまいと踏ん張り続けた影響でスタミナをロスしたのかもしれない。足を踏ん張れないことで速い軽打で戦うことを選択した面もあったろう。いずれにしても、日中のホープ対決は見応えがあった。眞下は9勝6KO1敗。初黒星のチャンは6勝3KO1敗1分。

 2連敗の日本S・フェザー級3位それいけ太一(本名:木村太一、KG大和)と元日本ランカーで3連敗中の遠藤勝則(角海老宝石)によるS・フェザー級8回戦は、太一が2回2分18秒KO勝ちし、連敗を止めた。

 ときに、肩の後ろまでグローブを引いて右強打を狙う太一に対し、遠藤は右顔面がガラ空きの太一に左フックを合わせにいった。しかし、太一の右が圧倒した形だ。結果的に2回に強烈な右ストレートで効かせて倒し、立ち上がるもダメージ残る遠藤にレフェリーが10カウントを数えて終わったもの。だが、両者が近づいた際に太一がテンプルを打った右ショートも効果的だった。太一は11勝7KO7敗。遠藤は7勝4KO7敗1分。

 中谷潤人、アンソニー・オラスクアガ。世界王者両雄とLAで長年ともに励んできたエイドリアン・アルバラード(米)が初来日し、バンタム級8回戦でOPBF12位のエイドリアン・レラサン(比)に76—75、76—75、77—74の3—0判定勝利した。

 メキシコ系アメリカ人のアルバラードは、メキシカン特有のゆったりしたテンポを使い、肩を出し入れしての右ストレートをサウスポーのレラサンにヒット。2回にダウンを奪って優位に立ったが、レラサンの左ストレートからの右フックに何度も脅かされた。

 上体を左右に大きく揺すり、特に左のガードは顔面の半分を覆うほど独特の形で防御を意識していたが、足が連動せずに一所にとどまりがち。そこにレラサンの反撃をもらいがちだった。中谷、オラスクアガに追いつくにはまだまだ経験の必要性がある。11勝5KO2敗1分。劣勢を挽回し、いい勝負に持ち込んだレラサンは14勝6KO7敗。

◆ミニマム級6回戦
ファン・ジン(中国)[判定2—0(57—56、57—56、58—55)]宮川晟(横浜光)

◆48.5kg契約6回戦
阿部大翼(青木)[引き分け0—1(56—58、57—57、57—57)]服部凌河(横浜光)

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