2016年11月2日水曜日

“神の左”山中慎介が語るパッキャオの魅力と復帰戦

 6階級制覇を成し遂げたマニー・パッキャオ(37=フィリピン)が11月5日(日本時間6日)、米ラスベガスのトーマス&マックセンターでWBO世界ウェルター級王者ジェシー・バルガス(27=アメリカ)に挑む。今年4月の試合を最後に一度はグローブを壁に吊るしたパッキャオにとっては、7ヵ月ぶりの復帰戦。世界的に注目度の高い一戦を、WBC世界バンタム級王座を11度防衛中の山中慎介(34=帝拳)が占った。

「7ヵ月の空白は問題ない」
 パッキャオは今年4月、過去1勝1敗のライバル、ティモシー・ブラッドリー(米)との決着戦に臨み、2度のダウンを奪って圧勝した。戦前から宣言していたとおり試合後には引退を表明し、5月にはフィリピンの上院議員選挙に出馬して当選を果たした。しかし、その前後から「いまは引退するけれど、本心を言えば戦い続けたい気持ちはある」と複雑な胸中を明かしてもいた。

 したがって戦線復帰のニュースを聞いて驚いた人は意外に少ないのかもしれない。山中も「ブラッドリー戦を見た誰もが『まだまだ現役のトップとしてやっていける』と思ったでしょう。自分を含めパッキャオの試合を見たいファンは多いし、嬉しいですね」と復帰を歓迎している。

 気になるのは7ヵ月というブランク、そして議員活動とトレーニングの両立だが、山中は「4月以降、どんな生活を送ってきたかということは分からないが」と前置きしたうえで、「ボクサーにとっての7ヵ月はブランクというほどの期間ではないし、まったく問題ないと思います。練習も新たな気持ちで再開したんじゃないですかね」と推測した。

「パッキャオの力が存分に発揮される」
 今回の復帰に関し、パッキャオは記者会見で「支えてくれる皆さんに恩返ししたい。ボクシングを続けながら(フィリピンの)国民を救えるということを証明する」と話している。これを聞いた山中は「自分の場合は(ボクシングに専念して)11回の防衛に成功したけれど、ほかのことをやりながら……ということは考えられないですね」と舌を巻く。

 対戦相手のジェシー・バルガス(アメリカ)は身長178センチ、リーチ180センチと大柄で、パッキャオよりもそれぞれ12センチ、10センチ上回っている。経験値ではパッキャオに及ばないが、S・ライト級とウェルター級の2階級を制覇した実績を持つ。破壊力のある右ストレートを軸にした攻撃は波瀾を起こす可能性を秘めていると言えるだろう。

 パッキャオにとってはリスクのある復帰戦ともいえるが、山中は「不安よりも楽しみの方が大きい」という。「(20代後半の)S・フェザー級時代のような踏み込みは難しいかもしれないけれど、パッキャオにはテクニックもありますからね。それに自分は気持ちを前面に出すスタイルが好きなので、それが見られるかも。バルガスは正統派なので、パッキャオが存分に力を発揮できると思います」と期待を込めた。

 山中も注目する「戦う上院議員」の復帰戦は11月6日(日)午前11時からWOWOWプライムで生中継される。