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直前の弟拓真の敗北は「しんどいものはあった」

井上尚弥 右目が見えなくなり作戦変更 
直前の弟拓真の敗北は「しんどいものはあった」

2019年11月8日 3時27分

 WBSSバンタム級決勝(11.7さいたまスーパーアリーナ)でノニト・ドネア(比)を判定で下した井上尚弥(大橋)が試合後、取材に応じた。記者会見のあとには米大手プロモーション、トップランクとの契約も発表された。

──試合を終えて。
井上「試合前から言っていた世代交代、結果的にはできたのかなと思いますけど、みなさんの期待通りの試合はきっとなかったと思いますけど、これがボクシングということで、甘い世界じゃないということも今日の試合を通して分かりましたし、今日のこの経験を生かして次戦からまた精進してがんばっていきたい」

井上は米大手プロモーション、トップランクとの契約を発表した

大橋秀行会長「パンチが効いたシーンも尚弥と知り合って初め見たけど、そこからダウンを取って素晴らしい試合内容だったと思う。みなさんが一番心配していたタフネスを証明した試合だったと思う。価値のある1勝だったと思う。強いてあげれば11ラウンドは10カウントだったんじゃないかと思います。僕の感覚では20秒くらいたっていたと思いますけど……尚也が大きく成長できた12ラウンドだったと思う」

井上真吾トレーナー「今日はほんとにヒヤヒヤしたというか、いい意味で初心に戻れるというか、本人も分かってると思うんですけど、前半想定内でちょっと余裕を持っちゃって、そこで2ラウンドに左をもらって切ってそこからグダグダになってしまったというか、そこから本人はいろいろ計算して、判定とかポイントを気にしながら、それを挽回するというそこは逆にすごいなと思ったんですけど、また初心にかえって気持ちを引き締めて、いろいろな挑戦をしていきたいと思います」

──右目が見えにくくなった詳しい状況は?
井上「2ラウンド目に左フックをもらって、そこから12ラウンドまでドネアが二重に見えている状態が続いた。ちょっと(ドクターに)診てもらったんですけど、骨には以上がないという状況です」

──7、8、9回と流れが悪くなってから10回に強引にいって流れが変わったと思うんですけど、9と10の間は指示なり、考えを教えてください。
井上「自分の中で、セコンドの中で、7、8ラウンドまでに、ポイントは取っているであろうという計算で、7、8は捨ててで残りを取ると。目も全然見えていなかったんで、右ストレートも打てない状態で、だったらポイントアウトしようかなと。作戦を切り替えました」

井上(右)はうまく戦ったという印象を与えた

──拓真選手が負けてしまったことは?
井上「いや~、けっこうしんどいものがありましたね。アップに集中できなかった。8ラウンドくらいまで見て、それからテレビ消して集中しようと思ったんですけど、気持ち的にはいつもと違いますよね。まあ複雑な気持ちのままリングに上がりました」

──滑り出しは良かったのでは?
井上「出だしの手ごたえは良すぎたなと。ちょっとブロッキングで何とかなるかなと実際に思ったんですよ。フェイントからの左フックをもらちゃったんで、それですべて狂いましたね。ロープ際のフェイントの左フック、うまかったですよね。ボディくると思っていて、そこ完全にあいている顔面にいかれたんで。でも、そこからぼやけた状態で戦ったんですけど、精神面も含めて今日はいい経験になりました」

──ドネアのパンチ力は?
井上「見えない角度でもらうと、そりゃ効きますよね。2回のカットしたパンチは効いてないです。完全にぼやけて見えただけで。効いたのは、フラついたのはあれだけですね……9回ですか。ゆっくり映像を見てみないと」

──縫ったのは?
井上「5針ですかね」

──カットして、効かされてパ、ニックになったということは?
井上「なかったですね。ドネアのダメージの蓄積もあったんで。だからあれくらいで済んだというのはありますね。あれを序盤で食らっていたら、ドネアも勢いありますし、それはそれで分からない結果になりましたけど……。まあ耐久性とか打たれ強さも証明できたのかなと。これはこれでいい経験になりましたね。

ドネアも打たれ強いですね。絶対に負けないという気持ちも感じましたし、やっぱりダメージはあったと思うけど、それ以上、自分がいけないという、ドネアのカウンターもあの中でももらったらヤバイというパンチも残っていたし」

──ボディで倒したあとも、ドネアはカウンターを狙っていました。
井上「狙ってましたね。だからダウンを取ったあとも不用意にはいけなかったですね。あれはあれでいい選択だったかなと」

──リング上でウバーリとの対戦を希望しましたけど?
井上「やりたいですよね。本当に実現に向かうようにいきたいですけどね」

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