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田中亮明、堤駿斗、成松大介ら激戦制す

岡澤セオンMVP 全日本選手権&五輪国内最終選考 
田中亮明、堤駿斗、成松大介ら激戦制す

2019年11月25日 1時52分

 東京五輪代表を決める国内最終予選を兼ねた第89回全日本ボクシング選手権大会(鹿児島・阿久根市)は24日、8階級の決勝戦が行われた。

ベルトを贈られた優勝者たち

 69キロ級(ウェルター級)は地元の岡澤セオン(鹿児島体育協会)がロンドン五輪代表の鈴木康弘(K&Kボクシングクラブ)との技巧派対決を5-0判定で制し、昨年に続き優勝するとともに今大会の最優秀選手にも選ばれた。

「鈴木さんから試合を楽しもうと言われ、僕を超えないと活躍できないと言いうメッセージだと思って頑張った。勝ててうれしい」。岡澤の手が上がると、敗者の鈴木も拍手して勝利を称えた。五輪のメダルも期待される岡澤は「鹿児島にくるまではなんでもないボクサーだった。みんなに支えられてここまでこれた」と地元への感謝を忘れなかった。

■試合結果
49kg級 川谷剛史(東洋大)判定 小川 翼(東京農業大)
52kg級 田中亮明(中京高校教)判定 坪井智也(自衛隊体育学校)
57kg級 堤 駿斗(東洋大)判定 藤田健児(自衛隊体育学校)
60kg級 西山潮音(駒澤大)判定 山原武人(大阪商業大)
63kg級 成松大介(自衛隊体育学校)判定 今永虎雅(東洋大)
69kg級 岡澤セオン(鹿児島体育協会)判定 鈴木康弘(K&Kボクシングクラブ)
75kg級 森脇唯人(自衛隊体育学校)判定 細野恭兵(近畿大)
81kg級 梅村 錬(拓殖大)判定 鬼倉龍大(茨城県ボクシング連盟)

岡澤(左)は元五輪代表の鈴木をくだしての優勝

 8階級のうち49kg級と60kg級を除く五輪階級の6階級は、来年の東京五輪の代表を決めるための国内最終選考試合を兼ねていたが、現時点で正式な代表は決まっていない。

 優勝した6人はアジア&オセアニア予選(来年2月・中国)に出場し、自力で出場権獲得を狙う。東京五輪で日本は開催国特典として男子4階級の出場が認められているが、アジアと世界最終予選で自力獲得選手が出れば、5人以上が本番の五輪に出場することになる。「アジア予選ではメダルを目指し、6人全員が(五輪に)行くと確信している」(日本ボクシング連盟菊池事務局長)と期待している。

 52kg級(フライ級)は田中亮明と坪井智也の間で接戦が展開された末、田中の3-2の判定勝ちと発表された。しかしこの判定に不服の坪井側はカードを提示して公式に異議申し立て。これが受け入れられて上級審判による「ビデオ判定」が実施された結果、判定は覆らず、田中の勝利が確定した。

 この日は他にも最後の81kg級(L・ヘビー級)で梅村錬が4-1判定で勝った試合でも、敗れた鬼倉側が公式に異議申し立てしたが、これも「ビデオ判定」の結果判定通りと裁定が出て梅村の勝利が確定している。

 57kg級(フェザー級)は本命の堤駿斗が藤田健児の王座復帰を阻んで2年ぶり2度目の全日本優勝。「やっとスタートラインに立てたという思い。まだ東京五輪で金メダル獲るにはほど遠いですけど、自分のできることすべてを準備して五輪に挑みたい」とコメントした。堤には技能賞が贈られた。

成松(左)は通算9度目の全日本選手権制覇

 63kg級(L・ウェルター級)の成松大介はこれが通算9度目の全日本選手権優勝。この日は新鋭今永虎雅相手に再三好打を決め、文句ない5-0判定勝ちをおさめた。

 リオ五輪後一度は引退を決意したが、「自分の中でまだ物足りないところがあって東京五輪にチャレンジしようと思った。勝ててホッとしています」。成松には優秀選手賞が贈られている。

 昨年の決勝と同じ組み合わせとなった75kg級(ミドル級)は、森脇唯人が細野恭兵の強いブレスにも堂々と応戦して昨年同様判定勝ち。森脇は敢闘賞を獲得した。

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