リング誌ランキングを読む Part5 ウェルター級編
才能ひしめく激戦区 パッキャオ争奪戦の様相
2020年4月18日 8時53分
2020年4月17日 13時50分
近年のボクシング界はアマチュア出身者が多く、プロジムで一からスタートした選手がチャンピオンになるほうがレアになった。アマチュア未経験組で一番の成功例が伊藤雅雪(元WBO世界S・フェザー級王者=横浜光、29歳)。あらためてその秘訣を聞いた。
──アメリカで世界タイトルを獲ったとき(18年7月)、アマチュア経験がないことで向こうではかなり騒がれたと(伊藤は高校でバスケ部を引退してからボクシングを始めた)。
伊藤 お前、ほんとにアマチュアでやってなかったのかって。いや、バスケットボール選手だったよって言ったら、マジか、みたいな。環境の違いだと思うんですけど、米国はちっちゃいときからお父さんがジムに連れて行って、スパーリングして、それがベーシックですから。日本でも少ないじゃないですか。その中で僕がチャンピオンになれたのは、運もあれば、いろいろ重なったんだと思いますけど。
──(アマの経験がなくて)コンプレックスみたいなものはなかったですか。
伊藤 コンプレックスはなかったですかね。まあ、もっと早くからやってればよかったって思ったことは何度かあったんですけど。その分、僕はバスケとか、いろいろなスポーツをやってきて、違う能力が備わったというか、根本的な身体能力も高くなったと思いますから。そういう意味ではハンデというよりかは、むしろ僕にしかできないボクシングがあると思ってやってきました。
──プロで一から始めた選手が上にいくための条件をどう考えますか。
伊藤 僕なんか特にそうでしたけど、実戦をとにかく繰り返して。その中で、自分で考え続けなきゃいけないですね。すごく考えて、いろいろと試しまくって。最初にもとの形はつくらなきゃいけないですけど、ある程度になって、(アマ出身者との差を)埋めるにはミット、シャドーをやるだけじゃダメだし、それが基本なんですけど、マスでも、スパーでも、考えたことを実戦の中でやることがすごく大事かな。僕の場合はずーっとそれでしたね」
──自分のどういう部分をいかそうとした?
伊藤 もともと直撃弾はもらわなかったんですよね。そういう勘というか、感覚というか、反応というか。3歳から体操を始めて、水泳やって、バスケやって。それで備わったものがあると思う。ボクシングだけやってきた体じゃないというか…。
伊藤のインタビューは現在発売中のボクシング・ビート5月号に掲載中。けがの回復具合、王座を失った昨年5月のジャメル・ヘリング戦の分析、世界王座復帰へのシナリオ、同じくアメリカで腕を磨く中谷潤人(M.T)の話まで、思いのたけを存分に語っている。https://amzn.to/2XvKRfh
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