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才能ひしめく激戦区 パッキャオ争奪戦の様相

リング誌ランキングを読む Part5 ウェルター級編 
才能ひしめく激戦区 パッキャオ争奪戦の様相

2020年4月18日 8時53分

 1925年から独自のランキングを作製し続けるアメリカのボクシング専門誌「ザ・リング」のオリジナルランキングを読む企画の第5弾はウエルター級。全階級を通じたパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングに最多の3人の名前が並ぶウェルター級は間違いなく最激戦区の一つだ。

1位にランクされるスペンス

■ウェルター級
C 空位
1 エロール・スペンスJr(米=IBF、WBC王者)
2 テレンス・クロフォード(米=WBO)
3 マニー・パッキャオ(比=WBAスーパー)
4 キース・サーマン(米)
5 ショーン・ポーター(米)
6 ダニー・ガルシア(米)
7 ヨルデニス・ウガス(キューバ)
8 クドラティーリョ・アブドカクロフ(ウズベキスタン)
9 セルゲイ・リピネッツ(ロシア)
10 マイキー・ガルシア(米)

 1位はスペンス。その才能を早くから高く評価されたサウスポーが世界王者となったのは17年5月。3度防衛中のIBF王者ケル・ブルック(英)を11回で仕留めて戴冠した。

 その後もラモント・ピーターソン(米)、マイキー・ガルシア、ポーターといった元王者の肩書きを持つ実力者を退けて4度の防衛に成功。昨秋に交通事故を起こして戦線離脱したのが唯一気になるところだ。

2014年の年間MVP選手クロフォード

 クロフォードは2位。PFPランキングではクロフォードが4位、スペンスが6位だから逆転現象が起きた。これはPFPの場合、クロフォードは3階級制覇を含めたトータルで評価されての4位であり、ウェルター級ならスペンスが上ということだろう。

 もっともクロフォードはウェルター級に転向してから世界戦5試合ですべてKO勝ちと文句のなしの内容。ただし、トップランクと契約するクロフォードに対し、上位のライバルたちがすべてPBC傘下で、好カードに恵まれない不運も味わっている。こうした事態に本人もイラついているのか「ミドル級に進出する」との発言も飛び出したが、はたしてどうなるのか。

 3位のパッキャオは40歳を超えてスピードとパワーに陰りが見えるものの、昨年7月、無敗のサーマンに勝利してまだまだやれるところを見せつけた。知名度はこのクラスでも群を抜くだけに、周りの選手はよだれを垂らしてパックマンの首を狙っている。いまだに主役級ということだ。

41歳にして王座を守るパッキャオ

 復活を期すサーマンが4位。5位の元IBF、前WBC王者ポーターは昨年9月、スペンスとの2団体統一戦に2-1判定負けしたものの、試合を大いに盛り上げて健在ぶりをアピールした。

 6位のガルシアはS・ライト級で負けなしだったが、ウェルター級に上げて2階級制覇を成し遂げたのち、サーマンとポーターに敗れて一歩後退した。現在は虎視眈々と再浮上を狙っているところである。

 7位ウガスはポーターに2-1判定負けした試合が唯一の世界戦ながら高く評価されている。近藤明広(一力)と王座決定戦を争い、IBF・S・ライト級王者となったリピネッツが8位。小原佳太(三迫)の挑戦者決定戦に勝利した9位アブドカクロフとリピネッツのIBF暫定王座決定戦が内定していたが、コロナ禍の影響で試合がどうなるかは分からない。

 10位は4階級制覇王者のガルシア。ビッグネームの一人ながらスペンスにいいところなくプロ初黒星を喫した。この階級でやれるのか?という疑問の声は多く、これからが正念場となる。

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